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2019/12/10 (Tue) Toyota Raize <3>
エンジンルーム内を見る為にボンネットカバーを開ける。この時最近の BMW を除いて世の中の殆どのクルマは解除レバーを引いた後に僅かに開いた隙間から手探りで解除レバーを操作するのだが、このレバーは車種によって場所が違ったりと実に操作し辛いのが一般的だ。
そしてやっとロックを解除したと思ったら、国産車の多くではカバーを開けて保持するのにロッドを出してこれをカバーの穴に差し込んで固定するという面倒な作業が待っている。しかもカバーを閉じる際に、今度はロッドを固定する場所が判らなくて苦労するのが何時もの事だ。まあロッドを立てる前に覚えておけば良いのだが、ついカバーの固定に気持ちが先走ってしまい、格納位置を確認していない場合が多い。
何とか無事にロッドを立てて、さてカバーの裏側を見ると、一応保温&防音のインシュレーターが貼ってあるのが見える。
エンジンは全グレードで1種類、直4 1.0L ターボの 1KR-VET で98ps/6,000rpm 140N-m/2,400-4,000rpm と今時のスペックとしてはイマイチだ。このエンジンはタンクのターボモデルと同一だ。
そして見た目はこれまた最近のクルマとしては随分とゴチャゴチャと汚らしい。これをメカメカしいと思うかは個人の感性だが、まあメカっぽい魅力は無いと思う。
ストラットタワー付近を拡大してみると、薄っぺらい鋼板に補強プレスも少なく、スポット溶接もショボいし、繋ぎ目の防水シールも最小限等、安モノ路線まっしぐらで、流石は軽自動車メーカーのダイハツらしい。
標準タイヤ&ホイールは中間グレードのGでは写真左下の195/65R16タイヤ&16×6Jアルミホイール(シルバー塗装)、上位グレードZでは写真右下の195/60R17タイヤ&17×6Jアルミホイール(切削光輝+ブラック塗装)となる。なおボトムグレードのXではサイズはGと同じだが、ホイールがスチール+樹脂キャップという安モノ路線マル出しとなる。
中間グレード以上のアルミホイールではブレーキユニットが見えるが、フロントはチャチいとはいえディスクブレーキ (勿論鋳物の片押し) が装着されているが、リアは武骨なブレーキドラムが見えている。まあ車重が1トン程度のクルマでは制動能力としては充分だが、見掛けがねぇ‥‥。
次にドアを開けようとドアの開閉グリップをみると、車格の割にはシッカリとしたものが付いている。
ドアヒンジは勿論国産車得意の鉄板をプレスしたものだ。サイドミラーはウィンカー組み込みタイプで、これも当然の装備だ。
ということで、次回からはインテリアに進む事にする。
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2019/12/8 (Sun) Toyota Raize <2>
全幅 1,695 x 全高 1,620mm と最近では珍しく5ナンバーサイズに収まっているのはコンパクト SUV だけの事はある。写真では殆どスクエアに見えるが辛うじて幅の方が高さより大きい。
リアビューはマッチョな兄貴分 (C-HR) に比べて大人しいスタイルだ。
全長 3,995 x 全高 1,620㎜ 、ホイールべース 2,525㎜ というサイズは意外にもタンクよりも 295㎜ も長く、全高は115㎜ も低い。そのためにシルエットは少し背の高いステーションワゴン的なものだ。
カテゴリーはコンパクトカーという事もあり、リアラゲージスペースは狭い。
奥行きが短いのは当然としても幅方向もタイヤハウスの張り出し等が結構あるのはリアオーバーハングが極端に短い事も原因となっている。
リアゲートには電動オートクローザーが装着されている‥‥筈も無く、至ってシンプルだ。
リアゲート左には唯一のエンブレムである "RAIZE" があるが、それ以外グレード等を表すものは一切無い。
ヘッドライトは全グレードに LED ヘッドランプが標準装備されている。なおトップグレードの "Z" にはオートレべリング機能が付いている。
SUV としては低めの全高と大人しいスタイルはコンパクトワゴンに近いから、これぞクロスオーバーという表現が似合っている。最初の1か月で目標の8倍もの受注があったというから、この小さく・安く・大人しいクルマを求める層は多かったという事で、トヨタの目論見は見事に成功したかのように見えるが、さて1年後はどうだろうか?
次回はエンジンとブレーキ編へと進む事にする。
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2019/12/6(Fri) Toyota Raize <1>
トヨタの小型 SUV としては 2016年末に発売された C-HR があり、これは今年上半期の売り上げでは普通車として 15位 (32,221台) とそれなりに検討している。そのトヨタから、C-HR より更にワンランク小さい新型 コンパクト SUV としてブランニューモデルのライズ (Rize) が発売された。
ライズのサイズはタンクよりも一回り大きいが、エンジンはタンクのターボモデルと同一で、その割には同一価格帯ということで多少割安感があり、トヨタとしてはかなり本気になったモデルと思える。
とはいえ、実はこのクルマはタンク同様にダイハツからの OEM 供給で、ダイハツブランドではロッキーとして販売される。このロッキーという名称で思い出す読者もいるだろうが、世の中がバブル経済で大型 4WD オフロード車がブームだった1990年に、小型オフロード車として発売されたのが初代ロッキーで、巨大なオフロード車が主流だった時代の貴重な小型サイズオフロード車として海外でも販売されたが、結局成功には至らなかった。
こんな経歴のロッキーだが、今回は主にトヨタブランドでの販売という事で期待は持てる。現在このクラスではスズキの クロスビーがライバルとなるが、実は本来コンパクト SUV といえば日産 ジュークが王道だったのだが、何故か新型は日本では販売しないという、例によって全く意味不明の販売政策を採っている。
スタイルとしてはオフロード志向というよりもハイトワゴン的なクロスオーバーという出で立ちだ。
C-HR は取り分けリアビューがマッチョなデザインだったが、ライズはそれとは異なり大人しいデザインとなっている。
前述のようにワンサイズ下のタンクターボと同等という価格は買い得感があり、新車効果もあるだろが、受注台数は1か月間で既に月間目標 4,100台の8倍となる 32,000台を受注しているという。
例によって次回からはもう少し詳しく各部を見る事にする。