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2018/2/25 (Sun) Volvo V60 (2019)
丁度昨日に試乗記前篇をアップしたボルボ XC60 は昨年 FMC されたもので、フォードから完全に離れて業績も上向きとなった状況で開発されたものだから一時期のボルボでは考えられないくらいに進化していた。その XC60 とプラットフォームなどの基本コンポーネンツを共有する兄弟関係にあるステーションワゴンの V60 が発表された。
今までの常識ではまず最初にセダンが発売され、少し遅れてステーションワゴン、更に遅れて SUV というのが普通だったが、ボルボの場合は最初が SUV の XC60 で今回半年ほど遅れてステーションワゴンの V60 が発表され、セダンの S60 は未だ発表されていない。やはり最近の SUV ブームにより何が無くとも先ずは SUV という事なのだろう。
エクステリアの写真を見ると広く低く、実にスタイルが良い。カテゴリーはDセグメントとなる筈だが、写真ではマルで5シリーズワゴン並みのバランスの良いデザインに見える。そしてフロントはヘッドライトの中央に横に走るスモールライトやドアの下1/3 に大げさなプレスラインがあるし、リアコンビネーションランプはリアゲートにまで伸びている事など、XC60 の特徴が全て網羅されていて、要するに XC60 を低く押しつぶしたようなスタイルをしている。
インパネの写真を見ると、これまた XC60 と同じデザインで、というよりももしかして完全に共有しているようにも見える。
XC60 の成功の後を追って、それと全くコンセプトを同じくするステーションワゴンバージョンの V60 の出来栄えは果たして如何だろうか? そして恐らくセダンバージョンの S60 が近日発表されるのも間違い無く、今度こそ BMW も安心しては居られないし、それどころかモデルチェンジを全く放棄したようなアウディにとっても脅威になるだろうし、レクサスだって同様だ。
という事で詳細は下記にて。
⇒ https://www.netcarshow.com/volvo/2019-v60/
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2018/2/23 (Fri) 新型カムリはBMWに比肩する美しさ?<3>
今回はステアリングホイールとペダルの次に操作する頻度の多い AT セレクターを中心としたコンソールの比較から始める。
BMW の2車は当然ながらコンセプトが統一されていて、電子機器のセレクターの左にはコマンドダイヤル、右には走行モードの切り替えスイッチ等が配置されている。対するトヨタはプリウス等のハイブリッド専用車では電子セレクターを採用しているが、幾ら電子式だから単なるスイッチだと割り切るにしてもショボ過ぎるチャチなレバーだったりするが、カムリではメカ式の直線パターンのレバーを使用している。ただしカムリのパターン表示は何故か上から見るとレバー根元のブーツに隠れて真上からは見えないが、勿論ドライバーからは認識できる (写真右)。
BMW の電子式セレクターは質感抜群で、これを1シリーズにまで採用しているのは流石! えっ、2シリーズのアクティブ何とかっちゅうヤツはメカ式だ、って? あっ、いっ、いや、まあ、そのう、何ですよ‥‥。
そうは言っても3シリーズと5シリーズではやはり高級感は違うのは仕方ない。そしてカムリだって上級グレードならもう少しマシにはなるのだが、まあ大した事は無い。
コンソール後端にリア用のエアアウトレットを仕込むという方法は今や中級以上のクルマでは当たり前となったが、今回の3車は勿論これを装備している。
そして比較した結果は、カムリと3シリーズはシンプルだが機能は確実にクリアしているのに対して、5シリーズは見るからに予算を掛けていて、ショーファードリブンでは無いEセグメントにも関わらず、リアでも温度や風量の調整が出来る。
う~ん、やはり5シリーズは違う!
メーターはカムリでは日本、というか特にトヨタが得意とする自光式メーターを使っている。国産の自光式は10年以上前までは妙に明るくてドギツイ色の田舎丸出しのデザインだったが、最近では極めて自然で見やすいモノになっている。
BMW のメーターは開発時期の古い3シリーズではオーソドックスなメカ式で自光式では無いがコントラストが強くで実に見易いものが使用されている。ところが開発時点の新しい (昨年発売) 5シリーズではカムリの自光式を飛び越えて、最新の液晶 LED による CG 表示のパネルを採用してきた。ということは恐らく3シリーズも次期モデルでは同様の方式となるだろう。
さて以上3車種の内外装を比較してきたが、まあハッキリ言って一般ブランドのカムリとプレミアムブランドの BMW 、それも事もあろうに一台は5シリーズだから内容で見れば他2車を圧倒していて当たり前で、そんな事は始めから判っていたのだが、やはりここで一度クルマとしての格の違いは価格の違いに起因している事を肝に銘じる必要がある、という事でこの企画を立ててみたというのが本音だ。
最近は SUV ブームによりセダン人気が衰えているが、それでも究極のファミリーカーとしてセダンを選ぶのなら5シリーズ (Eクラス) は良い選択だと思う。以前はこのクラスの個人オーナーの多くは医師だったが、最近では小泉・竹中政策で格差社会となり、食うや食わずの下流階級が増えた問題もあるが、院卒エンジニアなど高学歴の専門職は勤務医とそれ程変わらない給与だったり、実力勝負の一流証券マンでは開業医並みの収入の場合も結構多く、サラリーマンが5シリーズを買うのも夢では無くなった。
となると、やはり親としては将来子供に良い暮らしをさせるためにも良い学歴と資格を持たせる事を考えてしまう。でもうちの子は偏差値が低くて‥‥なんてぇ場合は、加計学園の獣医学部なんてどうだろうか。事実上の偏差値はFランクで将来獣医師の資格がとれる (かもしれない) という、これぁ受験者が殺到する筈だ。でも何人が入学手続きをするかは見のもだが。いやその前に経営破綻するかも?
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2018/2/22 (Thu) Porsche 911 GT3 RS (2019)
強度のクルマ好き、取り分け走り系マニアがいつかは手に入れたいと思うのがポルシェ 911 GT3 であり、その中でも "RS" は最もレーシングカーに近いロードカーの一つだろう。とはいえ、この GT3 RS は生産台数が少なくしかも何年に1度という程度のスパンで限定生産されるから、日本で正規輸入品を買おうと思っても予約開始の時点で既に枠が埋まっているという代物で、一般人どころか大金持ちのクルマ好きでもディーラーに余程のコネが無い限りは新車で入手は出来ないというのが常識だ。
さて今回のモデルも久々の RS であり、恐らく販売予定台数は全て埋まっているだろう。
スタイルはこれで車検が通るのが不思議なくらいの、お馴染みのデッカイ GT ウィングやターボボディを基本としたワイド仕様で、リアフェンダーはこれでもかと膨らんでいる。それにしても歴代 RS に言えるのは何故か標準のボディ-カラーがグリーンやオレンジという普通のストリートカーでは有り得ない色となっている事だ。
しかしこれで何処を走るのだろうか? 夜の六本木界隈か? それとも大黒パーキングをウロウロしてヤンキー兄ちゃんに見せびらかすとか‥‥。
室内はストリートカーだから 911 をベースとしているし、ミッションは2ペダルの PDK だろう。まあこの辺がストリートカーらしく、サーキット専用のカップカーとは大いに異なるところだ。
シートは勿論過激な外観のこれでもかとサポートを重視したようなシートが付いている。しかし一般道でこのシートのサポートが必要な程の横Gを掛けたら、殆ど危険運転の部類になってしまうが‥‥。
冒頭で述べたように既に輸入枠は埋まっていると想像できるが、これを簡単に買うだけの財力があるならば、焦らずに待っていればその内にまた大恐慌が発生して、成金が買って眺めていた新品同様の物件が買い得価格で出てくる可能性は十分にある。リーマンショック後のポルシェのアプルーブドカーフェアでは、ついこの前まで2千万円以上で販売されていて、それも殆ど予約が取れなかった GT3 が新品同様で1千数百万円也の正札が付いて、しかも2台が売りに出されていたのを思い出した。
なお詳細は下記にて。
⇒ https://www.netcarshow.com/porsche/2019-911_gt3_rs/
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2018/2/21 (Wed) 新型カムリはBMWに比肩する美しさ?<2>
前回 (2月19日) はカムリとBMW 3および5シリーズのエクステリアを比較したが、今回は同様にインテリアを比較して見る。インテリアというのはエクステリア以上にグレードによって差があるから、それぞれをどんなグレードで比較するかで結果は大きく変わってしまう。
実は 2017年8月7日からの日記で Camry TRD vs 3er M SPORT を比較している。このカムリは G レザーパッケージに加えて TRD のエアロパーツを纏ったことで価格は何と 445万円であり、比較相手の BMW 318i M Sport の 489万円との差が数十万円というものだったから、インテリアでは其れなりに勝負を出来たが、今回は極普通のカムリ (ベースグレードのG:329.4万円) とし、更には5シリーズでは 523i ツーリング ラグジュアリー (811万円) を引っ張り出してみた。その差は何と 480万円也!
先ずはドアを開けたところから。3車とも内装色がブラック基調のものなので写真ではそれ程の差は感じられない。しかしまずはシート表皮を拡大して見るとカムリは一般的なファブリックで、まあ特に悪いとは言わないが豪華とは縁遠い。3シリーズは M Sport ということで例によってサイドと先端がアルカンターラでセンターは専用ファブリックであり、このアルカンターラが中々良い味を出している。そして5シリーズは当然ながらフルレザーだし、そのレザーも以前のように皺を付けた分厚いレザーでは無く、少しなめしたものが使われているが、材質の表記は何れもダコタレザーとなっている。
シートのポジション調整はカムリではマニュアル、BMW の2車はパワーだが、3シリーズは位置調整の傍にメモリ-スイッチがあるが、5シリーズではその位置には無くてドアトリム側にある。
ドアのインナートリムは運転中にドライバーの視線に入らないから中級以下のクルマでは予算配分が限られるようで概ね何処のメーカーでもインパネに比べて安っぽい。それでカムリはと言えばやはりプラスチッキーでショボいが、レザーパッケージならば大分マシにはなる。3シリーズはベースグレード同士でもカムリよりも金を掛けているが、今回は M Sport という事もあり、カムリのベースグレードとは多いに差が付いている。
そして5シリーズはといえば、デザインラインがラグジュアリーという事もあり他の2車を圧倒する高級感を備えているが、勿論ベースグレードだって結構良いのは基本的に金を掛けた構造になっているからだ。まあ5シリーズは破格の買い得価格である 523i Standerd でさえ 617万円だから、カムリのベースグレードの約2倍であり、伊達に高価な訳では無い。
インパネについてはカムリの場合は結構5シリーズ等の高級クラスを意識しているようで、サイズ的にも3シリーズなどのDセグメントよりも大きくしかも価格は安くて、成る程米国でベストセラーを続けているのも理解できる。とはいえセンタークラスターを見ればオーディオレスでナビは市販品のポン付けが原則で、ハッキリ言って安モノ丸出しだ。BMW は1シリーズでさえシステム化されたオーディオやナビを標準装備しているくらいで、この点ではカムリよりも多いに進んでいる。なおインパネ全体ではやはり5シリーズの高級感は3シリーズを圧倒している。
次回は残るインテリアの走行関係操作部分を比較する。