B_Otaku のクルマ日記



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2017/6/5(Mon) BMW 330e <3>

何時ものようにドアを開けて先ずは最初に目に入るシートに注目すると、写真のクルマは M Sport なので当然ながらスポーティーに装っている。

BMW の場合中位のセグメントまでなら M Sport に共通しているのはサイドと先端にアルカンターラの表皮を使ったシートで、これが中々良い質感を出している。ポルシェではアルカンターラ=人工皮革という事で何とベースグレードの標準シートにしていたりするが、BMW では結構プレミアム感の高いグレードである M Sport の標準にするという全く違う使い方をしている。因みに 330e ではベースグレードの 579 万円に対して M Sport は 624万円だからその差は 45万円となる。

今度は角度を変えてシート形状を見ると、M Sprot という事でサイドサポートは結構張り出しているが、乗り降りをある程度考慮しているのかバックレスト側に比べると座面側の張り出しは少し大人しくなっている。たしかに一部の国産高性能モデルのように座面サイドが引っかかるくらい高いと乗り降りし辛く、特に年寄りにはシンドい、って、年寄りはこの手のクルマは乗らないかも知れなかった。

ドアのインナートリムは既述のように今回のクルマが M Sport ということもあり、特に肘掛け回りの実際にドライバーが触れる機会の多い部分についてはシート座面と共通のファブリックを貼ったパットを使ったり、アームレストのパッドもステッチの入ったレザー (多分フェイク) を使ったりと、結構見掛けは良い。

とはいえ5シリーズ (G30) と比べると‥‥う~ん、まあ、やっぱり、違うわなぁ。

それではリアードアのインナートリムはといえばこれはフロントに準じたもので、リアが虐げられているということは無い。いやねぇ、国産のミニバンなんて下手するとリアはブラスチック丸出しの一枚成形だったりするものもあって、まあファミリーミニバンのリアシートの住人なんて子供たちか古女房だからこれで充分か? しっかしねぇ、結婚前は大切に助手席の乗せていた大人しい乙女も、今では口うるさいおバンになっちまったが、一体いつ頃から変身したのだろう。まさかある日朝起きたら行き成りおバンになっていた訳でも無いと思うが。

それでも、500万円のクルマとしては、まあまあかな。ただしこの手のクルマはオプションで大分イメージが変化するから何とも言えず、例えば2シリーズだってラグジュアリー系のモデルを選べば結構高級感に溢れる内装にはなる。下の写真はどちらも2シリーズアクティブツアラーだが左のスタンダートに対して右のようにラグジュアリーを元に更にオプションを追加すると充分に高級になる。だだし、そうすると価格も上級カテゴリー並になってしまうが。

次回も引き続きインテリアを見ることにする。

つづく





2017/6/4(Sun) 300万円の輸入車

先日の日記で BMW3シリーズを纏めた際に気が付いたのは3気筒 1.5L ターボの 318i の、その中でもベースグレードより更に安い 318i SE でも 409万円であり、やはりファミリーカーに400万円超は厳しい、という家庭も多いだろう。しかし見方を変えると国産車だってDセグメントともなれば、スカイラインのベースグレードである 200GT-t が 413.6万円と、これまた400万円超の予算が必要となる。それでも 200GT-t というくらいだから2.0L ターボを搭載しているわけで、何を隠そう、いや皆が知っている事と思うが、このエンジンはメルセデスベンツ製であり、しかもハイチューン版の方で C250 に搭載されているエンジンとほぼ同一品だから、まあ価格的には納得できるものもある。

とはいえ400万円以上を必要とする事に変わりは無い。そこで考えたのが300万円の輸入高級ブランドって何があるのだろ、という事だ。300万円の国産車といえば例えばトヨタ プリウスの中間グレードである ”Aプレミアム” が310万円、ファミリーミニバンではセレナの上級モデルであるG ハイウェースターが 301.1万円だから、国産のチョッと良いクルマを買うとなると 300万円前後は決して珍しくない。

さてその対象車種だが、言うまでもなくベンツ・ビーエムは当然だから、ここではCセグメントのAクラスと1シリーズを取り上げる事にする。そして御三家のもう一つ、アウディはA3 スポーツバックというのが定番だろう。尤もこのアウディは今では御三家と呼ぶのが憚れるくらいに低迷気味で、やっぱり御三家というのは必ず2強1弱となるのは古今東西の歴史が示していて、芸能界だってアリスたのきんキャンディーズも同様だった。えっ、キャンディーズを知らない?

アウディが落ち目なのとは逆に、フォード傘下の頃はボロボロだったボルボもその後中国メーカーの傘下に入ったことで見事に復活し、一応准プレミアムブランドとして見ても良さそうだ。という事で、選んだのが下の表だ。 なお似たような比較は既にメルセデスBクラスの写真紹介時に実施しているが、あの時は価格範囲が広くて今回の趣旨とは違うために今回新たに作り直すことにした。

価格的にはBMW 118i が10万円程高いが、それ以外は綺麗にギリギリ 200万円代の価格を付けている。エンジンは 1.4~1.6L でパワー的にも118i を除けばどれも 122ps というのも偶然にしては出来過ぎだが‥‥。

なお上記4車の中で、MC 前の前期型とは言え同型モデルへ試乗しているのは以下の2車種で、参考に掲げておく。
BMW 116i Sport 試乗記 (2011/11)
Volvo V40 T4 試乗記 (2013/2)

ところで上記のタイトルと見ると1シリーズのボトムモデルは 116i となってるが、その後エンジンが新型となった時に事実上の後継モデルをどさくさ紛れに 118i と格上げしてしまった。これって最初は謙虚に 1.6L 相当ですよ~っ、何て言っていたが、他社が同一性能モデルを 1.8L 相当の名称にしているので、こりゃマズイぞ、って言うことで変えたとか??

本音としてはメルセデスの A/B クラスって「あんなのはメルセデスじゃあない、俺の青春を返せ!」のノリで今まで試乗はしてこなかったが、そうとばかりも言っていられない気もしてきた。






2017/6/2(Fri) BMW 330e <2>

エンジンルーム内を見ると如何にもハイブリッド車らしくオレンジ色の高圧ケーブルや銀色に輝く電力制御ユニットなどが目に入る‥‥事は全く無くて、見ただけではこれがハイブリッド車とは判らない。

エンジンルームを見たついでにサスタワーの部分に注視すると、板金プレス製で何となくプレス加工自体もショボクレて見える、というと解り辛いだろうから言い換えると表面は波を打っていて、まあ強度には関係ないがイマイチ手抜きに見えるし、普通のクルマという感じだ。そこで参考のために5シリーズの同じ部分 (ただし左右は逆) を比べると、こちらはアルミの精密鋳造による美しい表面と薄くて軽量化されているが強度的には効果絶大のリブがあり、3シリーズとは大分違うのが判ってしまう。

今回のクルマは M Sport だからタイヤはフロント:225/45R18 、リア:255/40R18 という太いモノが付いている。

 

ブレーキキャリパーは例によって鋳物の片押しシングルピストンで、静的前後配分が 50:50 の BMW 車らしくフロント負荷が少ない分だけ他社より小さいのも何時も通り。

今回はドアヒンジを拡大してみる。今から十数年前の E46 時代にはボディ側のヒンジの取り付けを全周溶接という如何にもコストの掛かりそうな工法を使用していたが、最近は写真のようにどう見ても溶接には見えない形状になっている。実はこれ、ボディの内側から1本のボルトで固定されている。それではヒンジ側のナットはというと、このスチール製の部品にタップ加工されている。因みにこの部品はスチール製の圧延部品を作ってから短く切断して使用していて、日本車の板金プレスに比べれば勿論コストは掛かっているだろう。

ところで、そのヒンジ部品の厚みから見てそれ程大径のネジ加工は無理だし、しかも1本止って? と思うだろうが、実は高張力鋼を使用したボルト、要するにハイテンションボルト (通称ハイテン) だから細いボルト1本でも物凄い力で締め上げる事で、この構造が成り立っている。

補足すると自動車には多くのハイテンボルトが使用されていて、国産車でもエンジンやボディ等の締め付け力を必要とする部分に多くが使用されている。国産車の場合、ボルトの頭に数字が書いてあるのを見た事があるだろうか? この数字が強度区分を表しているから、一見すると普通のボルトに見えても強度はまるで違うし、整備書にはボルトの強度と使用場所はハッキリと明記されている。

日本製のハイテンボルトは世界でもトップクラスであり、こういう基礎的な技術の積み重ねで優秀なクルマが出来るわけだ。そういえば韓国には特殊鋼の技術はあるのだろうか? 同じく特殊鋼を高度な技術で加工する事が必要なエンジンのバルブは、ヒュンダイの場合日本の三菱製鋼から購入しているらしい。要するにエンジンの一番要の部品は日本製だから、いくら日本に喧嘩を吹っかけても虚しいだけなのだ。判ったか朴槿恵‥‥と思ったが日本に喧嘩売る前に今や塀の中だった。

次回からはインテリアに進む予定だ 。

つづく





2017/6/1(Thu) BMW 330e <1>

前回の予告通りに BMW 330e を例として現行3シリーズである F30 後期型について、先ずはエクステリアを眺めてみる。この 330e は3シリーズでは最もメジャーな 320i のガソリンエンジンに電気モーターを加えたハイブリッドシステムで、モーター系が無ければ 320i と同じ思って良い

エクスエリアは見慣れた3シリーズであり、BMW の中でも最も売れているシリーズだから今や街中に溢れていて希少性は全く無いが、それだけに安定したデザインは如何にも BMW らしいと共に、世界のファミリーサルーンのベンチマークになっているのも納得だ。

正面から見ればお馴染みのキドニーグリルが真っ先に目に入り、これはもう誰が見ても BMW だ。と言っては見たが、世間の下半分の階層ってBMW っていう名前でもいいから知っているのか否かには興味がある。そもそも全然知らなければキドニーグリルもヘチマも無い訳で‥‥。

リアはキドニーグリル程のアイデンティティは無いが、それでも BMW らしいものだ。なお320i とガソリンエンジン自体は同じ筈だが、何故か排気管は立派なダブルマフラーなのは、このクルマが ”330” だからそれなり格式を持たせたということか?

サイドビューは決して余裕のあるサイズではないにも関わらず、この手のサルーンとしては長いボンネットを持っている事が判るだろう。

ハイブリッドである事のアピールはCピラーの ”e Drive" とリア後端の ”330e” のエンブレムくらいだ。

プラグインハイブリッドだから当然ながら充電用のコネクターがあるが、これは普通充電用で急速充電は出来ない (たぶん) 。

ハイブリッドにしてはトランクは広いし、リアシートのバックレストも倒すことが出来る。

そのトランクの左端には小さなバッグが収納されていて、これは何かというと充電用のケーブル&コネクターだった。このクルマは普通充電だから高価な充電設備を必要とせずに 200V 電源があれば充電出来る。ただし時間は半日位かかるので自宅のカーポートで夜間に充電するという使い方だ。えっ、俺は夜の商売だ、って? いやそれなら昼間に充電すれば良いだけじゃねぇ?

トランクルームの床下は最後部に狭いスペースがあるのみで、ここにはファーストエイドキットが格納されているのはドイツ車らしいところだ。要するに床下にはスペアータイヤの代わりにバッテリーが居座っているのだろう。

次回はエンジン、ブレーキへと進む 。

つづく


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