カテゴリー: 軍事

  • 日・中・韓の高速ミサイル艇 その3 日本

    さて日本の自衛隊はというと、はやぶさ型ミサイル艇という高性能な高速艇があり、主要スペックを以下に示す。
    排水量:200t、全長:50.1m、全幅:8.4m
    主機:ウオータージェット3基 ガスタービンエンジン 3基 16,200馬力
    速力:44kts 、乗員:21名
    エンジンはGE社のガスタービンエンジン(5,400馬力)をIHIがライセンス生産したもので、これを3基搭載する事で16,200馬力という恐ろしい出力を発生し、速度はダントツの44ktsで、中国の36ktsを圧倒している。では韓国に対してはどうかと言えば、エンジン故障で動かない相手とは速度比較は出来ないのだった!

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    ところがこのはやぶさ型は6隻が建造されただけで、なんだかチョイと少ない気もするが‥‥。

    ただし、自衛隊はぶっちゃけ軍隊だから、平時にこれが出ていって中国船を蹴散らしたら戦争状態になってしまうから、ここは海上保安庁の出番という事になる。これは中国でも同様で、日本漁船を追い回している船舶は側面にCHINA COAST GUARDと書かれている。要するに人民解放軍ではなく中国海警局の所属という事だ。

    それでは海上保安庁(海保)にもはやぶさ型と同等艇を配属したら、何ていう意見も散見するが、あれは高価(一隻94憶円)過ぎるし、海保はミサイルも必要ないと言う事で、実は海保には「つるぎ型巡視船」というはやぶさ型に近い大きさと高速性能で価格は23憶円と圧倒的に安価な船がある。スペックをまとめると
    排水量:220t、全長:50.0m、全幅:8.0m
    主機:ウオータージェット3基 ディーゼルエンジン 3基 15,000馬力
    速力:40ts

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    つるぎ型は6隻が運用されているが、まあこれもチョイと少ないんじゃあないの?というのもつるぎ型は2001年から2005年に竣工されており、当時は中共がこれ程の力を持っていなかった事から、北朝鮮の不審船追跡が主な用途だったためにこのような体制になったのだろうが、これは現在の状況にそぐわない。

    と言う事で、性能的には日本の高速ミサイル艇は中・韓を圧倒している事が判明したので、隻数不足はあるが、まあ大きな不安は無いだろう、という事にしておこう。

  • 日・中・韓の高速ミサイル艇 その1 中国

     

    尖閣や竹島など、日本の領海内に他国が自国領土と勝手に主張してのゴタゴタが続いているが、その手の領海侵犯に関する揉め事にまず最初に到着して相手国の船を追尾するには出来るだけ高速で運動性能の良い小型艇が必要となる。そしてこれに該当するのが高速ミサイル船である。

    となると日本と、それにチョッカイを出す中共、韓国の状況はどうなっているのだろうか。という事で、先ずはは中共から。

    中共の高速ミサイル艇は1980年代以降、旧ソ連のオーサ型ミサイル艇を国産化した021型ミサイル艇を100隻程就役していたが、老朽化により次期モデルの022型が開発された。022型のスペックは
    排水量:220t、全長:43.0m、全幅:12.0m
    主機:ディーゼルウオータージェット4軸2基 6,865馬力
    速力:36kts (自称50kts)、乗員:12~14名

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    022型は2005年当時緊張の続いた台湾と、それに介入するであろう米国をけん制するために4年間の間に56隻(一説には80隻)が建造されたが、その後情勢の変化もあり主力は駆逐艦へと移行し、また沿岸警備艇としては大型の056型軽型護衛艦が主力となっている。

    写真から判るように022型は特徴的な双胴の船体であり、元はオーストラリアのAMDマリン・コンサルタンティング社が開発した民生用のデザインを元にして(パクって)おり、開発にはオーストラリア人技師がコンサルタントとして協力したと言われている。しかしこの特殊な構造から搭載量力が低く走行中の安定性に欠けるなど問題も多そうだ。

    まあ結局使い物にならないのだろう。

    日・中・韓の高速ミサイル艇 その2 韓国につづく

  • 日・中・韓の高速ミサイル艇 その2 韓国

     

    それではいよいよ、お待ちかねのお笑い韓国軍の高速艇だ。

    韓国海軍の高速艇は大鷲型哨戒艇であったが老朽化は激しく、その代替えとして犬鷲型ミサイル艇を2008年より就役させている。そのスペックは
    排水量:440t、全長:63.0m、全幅:9.0m
    主機:ウオータージェット3軸 ディーゼルエンジン 2基
    速力: (自称44kts)、乗員:40名

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    ところがこの大鷲型哨戒艇は、期待通りにトラブル続出で、未だまともに就役していない。

    おお~っ、さっすがーはお笑い韓国軍!

    その内容はといえば、1番艇は既に就役前に
    ・ウォータージェットエンジンから潤滑油が漏れる
    ・ディーゼルエンジンのエアタンクから空気が漏れる
    ・航海レーダーが消える
    など合計61ヵ所の不具合があり、これを何とか誤魔化して就役するも2ヶ月後には
    ・ウォータージェットエンジンのタービン翼と冷却装置が腐食する
    ・ディーゼルエンジンから潤滑油と燃料油が漏れる
    ・磁気羅針盤に20度以上の誤差が出る
    ・艦内通信システムの交信が不可能
    などにより95件の改修を行った。

    そしていつものパターンで、既に作ってしまったガラクタは事実上放置して、いつの間にやら次期高速艇(PKB-X)なるものを発注していたようだが、これが最近目出度くも4隻が海軍に引き渡された。と思ったらば4隻全てが運航中にエンジンのシリンダーヘッドが損傷し、まともに運航が出来ない状況だという。

    でたーーー。またまたエンジンが動かない軍用艦艇だった。いやこれは韓国としては極普通であり、決して欠陥ではないニダ、という訳だが、今月から開始される次期高速艇2次調達事業も延期される事となった、って、もう笑い過ぎても笑い足りないねっ!

    ところがオマケも付いていた。

    2013年には造船所で偽装中の1隻が波浪により水没する事故が発生した。犠牲者は居なかったが水没艇は補修不能で廃棄されて、新たにもう1隻追加で作ることとなった。はぁ~、何じゃそれぁ。

    また2015年には76mm速射砲の暴発事故が発生、一等兵が頭部に重傷を負い後に死亡した。この速射砲は退役艦についていた伊オートメラーラ社製を外して勝手に改造して高速艇に搭載していたものだった。

    まだまだあるぞっ!

    2014年10月に北方限界線を侵犯した北朝鮮艦艇に警告射撃を行った際に速射砲が突然の作動停止となり、その後の試験でも不発が発生していたが、韓国海軍はシカト(隠ぺい)していた。

    やれやれ、エンジンはすぐにぶっ壊れ、速射砲は不発や暴発という、走れない&撃てない高速艇とは流石にお笑い韓国軍だけあって、世界一のギャグだった。

    御見事っ!

    そして最後はいよいよ我が海上自衛隊について
    日・中・韓の高速ミサイル艇 その3 日本