文理融合型やデータサイエンス系学部ではPSSではなくPythonやRが圧倒的な主流 だった


文理融合型やデータサイエンス系の学部において、実態としてPythonやRが圧倒的な主流となっており、SPSSをメインで教える大学は非常に限定的だ。

一方で、特定の学問分野(特に心理学や医療・看護など)に目を向けると、現在もSPSSは教えられている。学部の設置目的や領域によって、ツールが明確に使い分けられている。

🔷文理融合・データサイエンス系で Python / R が主流の理由

1. 教育内容が「伝統的統計」から「現代的データサイエンス」へシフトしているため

SPSSは、アンケート集計や仮説検証のための伝統的な統計解析(t検定、分散分析、因子分析など)を得意とするGUIソフトだ。

しかし、文理融合型やデータサイエンス系の学部では、単なる統計検定にとどまらず、「Webからのデータ収集(スクレイピング)」「大規模データの前処理」「機械学習・AIモデルの構築」「成果物のWebアプリ化」まで一通り扱う。これらを一気通貫で行うには、汎用プログラミング言語である Python が不可欠となる。

2. ライセンス費用とBYOD(学生の個人PC利用)の問題

SPSSはIBM社が提供する商用ライセンス製品であり、非常に高額だ。

近年の大学では「学生が自身のノートPCを持ち込んで学習する(BYOD)」スタイルが標準化しているが、全学生にSPSSのライセンスを付与し続けるのは大学の予算圧迫につながる。完全無料(オープンソース)の Python や R であれば、学生が自分のPCに自由に環境を構築でき、卒業後もコストをかけずに同じ環境を使い続けられる。

3. 就職活動・産業界の実需と「分析の再現性」

企業の実務現場(IT、コンサル、データアナリスト、メーカーのR&Dなど)で求められるのは、SPSSの操作経験よりも PythonやRによるコード記述能力 だ。

また、コードとして分析プロセスを残すことで「誰が実行しても同じ結果が得られる(再現性の確保)」というデータサイエンスの基本作法を教育する上でも、コードベースの言語が好まれる。

🔷一方で、SPSSが根強く教えられている領域は

文理融合系や理系でPython/Rが主流化した一方で、以下の分野では現在もSPSSが主要ツールとして教えられている。

• 心理学・人間科学:心理尺度の作成や多因子分析、分散分析を多用するため、マウス操作で直感的に扱えるSPSSが標準テキストとして定着している。

• 医学・看護学・コメディカル:プログラミングの学習コストをかけず、臨床データの検定や生存率分析を素早く行うツールとしてSPSSやJMPが広く利用されている。

• 伝統的な社会学・教育学:社会調査の集計などに広く用いられてきた。
※ただし近年では、SPSSの高額なライセンス費用を避けるため、SPSSのようにGUI(マウス操作)で直感的に使えて、裏ではRが動いている完全無料の統計ソフト」である JASP や jamovi に教材を移行する大学・研究室も急増している。

🔷Python と R の使い分けの実態

大学で教えられている Python と R は、以下のように役割が使い分けられている。

文理融合型やデータサイエンス系の学部で「PythonやRが主流」なのは間違いなく、プログラミングを通じた柔軟なデータ処理能力と現代的なAI・機械学習への対応を重視した教育カリキュラムへの変化を反映している。