米FCC、中国の安保懸念企業製部品を含む機器の販売を禁止


2026年7月22日、米連邦通信委員会(FCC)は、国家安全保障上の懸念がある企業(いわゆる「カバードリスト」掲載企業)が製造した重要なハードウェア部品を含む機器について、米国内での新規認証や販売を禁止する規制案を可決した。

これまで存在していた規制の「抜け穴」を塞ぎ、サプライチェーン全体にわたって安全保障リスクを排除する狙いがある。決定の背景や主な変更点、市場への影響は以下の通り。

決定の背景:「部品の抜け穴」の封鎖
• 従来の規制(2022年〜)
FCCは2022年以降、ファーウェイ(華為技術)やZTE、ハイクビジョン(Hikvision)など、安全保障上の脅威とされる指定企業の通信機器や監視カメラ本体(完成品)の米国内での新規認証および販売を禁止していた。

• 存在していた「抜け穴(Component Part Loophole)」
従来ルールでは、他社(サードパーティ)ブランドの製品であっても、内部にファーウェイ製やその傘下のハイシリコン(HiSilicon)製などの制御チップ・核心部品が組み込まれている場合、米国内での新規販売承認を取得することが可能だった。

• 目的: ブレンダン・カーFCC委員らが指摘するように、核心部品自体に改ざんや裏口(バックドア)のリスクが存在する場合、機器全体の安全性が損なわれる。今回の可決により、この部品レベルの抜け穴を完全に遮断することが決定された。

可決された新規制の主なポイント

① 論理・制御機能を持つハードウェア部品の禁止
「カバードリスト」掲載企業が製造した論理回路や制御機能(Logic-bearing hardware components)を持つ核心チップ・部品を1つでも搭載している機器は、FCCの新規認証を受けられなくなる。

② ECプラットフォームへの表示義務付け
オンライン通販サイトやEC市場に対し、承認済み機器を販売・掲載する際には「FCC ID」を分かりやすく明示することを義務化し、未承認機器の迂回流通を防止する。

③ 簡易認証(SDoC)の禁止と審査厳格化
指定企業が既存機器へ変更・修正を加える際、従来利用できた簡易的な手続き「供給者適合宣言(SDoC)」の使用を全面的に禁止し、最も厳しい完全認証手続きを求める。

④ 重要インフラ定義の整理・見直し
過去の司法判断や最新のガイドラインに基づき、規制の適用範囲となる「重要インフラ」の定義を過不足のない形へ明確化・更新した。

主な影響

1.電子機器メーカーへの調達戦略の再考
米国市場で製品(スマートフォン、IoT機器、ルーター、ネットワーク機器など)を展開する世界のメーカーは、自社製品のサプライチェーンを見直し、対象企業の半導体やモジュールを完全に排除する必要が生じる。

2.規制対象の拡大(製品からサプライチェーンへ)
米国の対中技術規制が「特定の完成品メーカー排除」から「部品調達レベルを含めたサプライチェーン全体の網の目化」へと本格的に拡大したことを示している。