インテルの新シリーズCPU、Core UltlaraはAI機能を組み込み、低価格と低消費電力を達成しているという。という事は、無駄な機能があるGPU、GeForceは不用になるのだろうか?
結論から言えばAdobe製品における「AI機能の処理性能(スピード)」において、圧倒的に有利なのは「Core i + GeForce」の組み合わせで、性能差は僅差ではなく、数倍から、処理によっては10倍以上の大差でGeForceが勝っているのだった。
Core Ultraに搭載されている「NPU」は非常に画期的な技術だが、GeForceのような「大電力・高性能な単体GPU(ディスクリートGPU)」とは、そもそも目指している方向(設計思想)が異なっている。
それぞれの強みと、例としてAdobe製品での実際のパワーバランスを解説する。
なぜGeForce(GPU)が圧倒的に強いのか?
AIの計算処理において最も重要なのは、処理を並列でぶん回す「コアの数」と「Rawパワー(純粋な計算力)」だ。
• GeForce(RTXシリーズ): 数千個の演算コアに加え、AI処理に特化した「Tensorコア」という非常に強力なエンジンを物理的に積んでいる。消費電力は大きい(数十W〜数百W)が、その分、暴力的なまでの超高速処理が可能だ。

• Core Ultra(内蔵NPU): 「わずか数ワットの電力で、そこそこのAI処理を効率よくこなす」ために設計されている。省電力性は神がかっているが、出せる絶対的なパワー(TOPS値)はGeForceの足元にも及ばない。


【最新の動向】 AdobeとNVIDIAの協業はさらに深まっており、Premiere Proの「シーン編集検出」などのAI機能において、NVIDIAのAIエンジン「TensorRT」を使うことで、NPU処理の2倍以上の速度を叩き出すアップデートも行われている。また、Lightroomの重いAIノイズ除去などは、現状Windows環境ではNPUをほとんど使えず、GeForceのパワーに依存している。
どちらを選ぶべきかの基準
「性能(スピード)」を求めるならGeForce一択だが、用途や作業スタイルによって最適な選択肢は変わる。
1. 「Core i + GeForce」を選ぶべき人
• デスクトップPC、または「持ち運びはするが基本はコンセントに繋ぐ」大型ノートPCを探している。
• 待たされるのが大嫌い。4K動画の編集、高画素データのRAW現像、大量の画像生成を仕事やハイアマチュアレベルでガシガシ行う
• 結論:締め切りがあり、1分1秒の処理時間を削りたいプロ・クリエイター向け。
2. 「Core Ultra(単体GPUなし)」を選ぶべき人
• カフェや出張先など、バッテリー駆動の薄型軽量ノートPCでスマートに作業したい。
• フルパワーの速度は求めないが、ビデオ会議での背景ぼかしや、ちょっとした動画編集のカット、SNS用の写真編集などを「本体が熱くならず、電池が減らない状態」でこなしたい。
• 結論:機動性と省電力を最優先する、ライトクリエイター・ビジネスパーソン向け。
※なお、現在のハイエンドノートPCには「Core Ultra + GeForce RTX」という、普段の軽いAIはNPUに任せ、重いAdobeの処理はGeForceが爆速でこなすという「両者のいいとこ取り」をした贅沢なモデルも増えている。予算が許し、ノートPCで最強環境を作りたい場合はこの構成がベストとなる。