ニュージーランド海軍の次期フリゲート選定(アンザック級の後継艦計画)について、数日前の2026年5月7日に大きな進展があった。
ニュージーランド国防省は、最終候補を日本の「もがみ型(能力向上型)」と英国の「31型(Arrowhead 140)」の2案に絞り込んだことを正式に発表した。


現在、ニュージーランド(NZ)が置かれている状況と、今回の選定のポイントを整理する。
1.最新の状況:2026年5月時点
• 正式表明:2026年5月7日、クリス・ペンク国防相が「もがみ型」と「31型」を優先的な検討対象とすることを発表した。
• 今後の流れ:2027年末までに閣議へ最終的な助言(最終決定の提言)がなされる予定。
• 背景:NZ海軍は現在、深刻な人員不足と艦船の老朽化に直面しており、早期の更新が急務となっている。
2.なぜ「もがみ型」が最有力視されているのか?
31型の採用が決定したポーランドの事例とは異なり、NZにおいては「もがみ型」が非常に有利な立場にあると言われている。その最大の理由はオーストラリア(豪州)の存在にある。
• 豪州の決定(2025年):豪州海軍は2025年8月に、次期フリゲート(SEA 3000計画)として「もがみ型」をベースとした設計を採用することを決定した。
• アンザック連合の再来:NZと豪州は伝統的に同じ艦種(アンザック級)を運用しており、教育・訓練・整備を共通化することでコストを抑えている。豪州が「もがみ型」を選んだことで、NZもそれに合わせるのが最も合理的(相互運用性の最大化)という論理が強く働いている。
• 少人数運用:NZ海軍は慢性的な人手不足に悩まされており、徹底した自動化により少人数で動かせる「もがみ型」の設計思想は、彼らにとって喉から手が出るほど欲しい技術となっている。
3.対抗馬「31型」の立ち位置
英国の31型も依然として強力な候補ではある。
• コストと汎用性:ポーランドが選んだ理由と同様、船体が大きく将来的な拡張性が高いこと、そして比較的安価であることが魅力となっている。
• 海洋国家の伝統:英連邦(コモンウェルス)としての繋がりや、既存の武器体系との親和性を重視する場合、英国案が選ばれる可能性も残されている。

外観上は「もがみ型」の方が「一世代先」に見えるが、外観だけでなく中身(自動化技術)においても「もがみ型」はNZの抱える「人手不足」という課題に完璧に合致している。ポーランドの時は欧州内での政治的・地理的要因が強く英国案に軍配が上がったが、今回のNZ・豪州というオセアニア市場においては、「もがみ型」が悲願の海外受注を勝ち取る可能性は極めて高いと考えられる。
来年末の最終決定が、日本の防衛産業にとっても大きなターニングポイントになりそうだ。