2026年5月4日、ホルムズ海峡の入り口付近で、中国資本の大型石油精製品タンカー「JVイノベーション(JV Innovation)」がドローンおよびミサイルによる攻撃を受け、甲板が炎上する事態が発生した。
この事件がなぜ起きたのか‥‥。
1.「誤認」の可能性:所有構造の変更
この船はマーシャル諸島船籍だが、最近になってオーナーが英国系企業から中国系企業へ変更されたばかりだった。
• イランやその支援を受ける武装勢力は、以前の所有者(英国などの西側諸国)の情報に基づき、「敵対国の船舶」と誤認して攻撃した可能性が極めて高いと分析されている。
• 2024年にも同様に「中国船は攻撃しない」と公言していたフーシ派が、直前にオーナーが変わったばかりの中国タンカー(ハンプ号)を攻撃してしまった前例がある。
2.中東全域の極限的な緊張状態
現在(2026年5月)、米国・イスラエル連合とイランの間で直接的な交戦を含む大規模な衝突(「2026年ホルムズ海峡危機」とも呼ばれる事態)が続いている。
• イラン側はホルムズ海峡を通過する「西側諸国に関連する可能性のある船」を無差別に、あるいは厳格に精査せずに攻撃対象としている側面がある。
• 現場の混乱により、中国との戦略的パートナーシップよりも、「海峡を封鎖・攪乱する」という軍事的目標が優先されてしまった結果、中国資本の船が巻き込まれた形のようだ。
3.中国政府の反応
中国外務省(林剣報道官)は5月8日の会見で、この「マーシャル諸島船籍・中国人船員」のタンカーが攻撃を受けた事実を認め、深い懸念を表明している。
• 幸い、船員に死傷者は出ていないとのことだが、中国国内では「安全を約束していたはずのイラン側が、なぜ自国の船を攻撃したのか」と衝撃が広がっている。
• これにより、これまでイランを外交的に支持してきた中国の立場が、自国の通商破壊を受けて変化する可能性も指摘されている。
結論として:
イラン(またはその傘下勢力)が中国を狙い撃ちしたというよりは、「激化する紛争の中で、船籍や過去の所有データに基づき、中国資本であることを認識せずに攻撃してしまった」というのが、現時点での専門家や外交筋の主な見方だ。
今回の件で、イランと中国の間の信頼関係に亀裂が入るかどうかが、今後の国際情勢の大きな焦点となりそうだ。
まあ、言ってみれば、攻撃を仕掛けているイラン革命防衛隊は、上層部どころか、現場の指揮官も多くを失い、殆どコントロール不能の手負いのヒグマ状態だ。