朝鮮日報によると『中東情勢に伴うエネルギー対策の一環として、韓国政府と与党・共に民主党は電力に占める割合が現在60%台の原発を今後80%台にまで引き上げることで合意した。』という。
ええっ、韓国の現在の電力は既に60%が原発なのか?
実は韓国における原発依存度は、直近数年で30%前後(2023年で30.7%、2024年で約32%)だった。
この報道は、現在の中東危機を受けて韓国政府が打ち出した「原発稼働率(設備利用率)」の一時的な引き上げ目標を指しているようだ。
1.なぜ韓国はそれほど原発に依存するのか
韓国が原発を国策の中核に据えている理由は、主に以下の3点に集約される。
① 徹底した「エネルギー安保」と資源不足
韓国は日本と同様に、化石燃料のほぼ100%を輸入に頼る「エネルギーの孤島」であり、特にLNG(液化天然ガス)への依存度が高いため、現在のような中東情勢の緊迫や円安・ウォン安による輸入価格高騰は、国家経済を直撃する。原発は燃料(ウラン)の備蓄が容易で、(見かけの)発電コストも低いため、最強の防衛手段とみなされている。
② 国家の根幹である「重厚長大」な産業構造
韓国経済を支える半導体、自動車、鉄鋼、造船といった産業は、どれもみな莫大な電力を消費する。国際競争力を維持するためには「安価で安定した電力」が不可欠であり、再生可能エネルギーよりもコストパフォーマンスに優れた原発が優先されてきた。
③ 原子力産業の「輸出戦略」
韓国は自国で開発した第3世代原子炉「APR1400」をUAEへ輸出するなど、世界有数の原発技術(怪しさ満点だが)保有国でもある。国内での稼働実績はそのまま国際的な信頼(リファレンス)となるため、産業育成の観点からも原発推進が止まらない構造になっている。
2. 稼働率を「80%」に引き上げる意味
通常、原発は定期検査などで一部が停止しているが、現在(2026年3月17日発表の緊急対策)では、中東危機によるLNG供給不安への備えとして、以下の措置が取られている。
• 稼働率の極大化:現在60%台まで落ちていた全体的な稼働率を、メンテナンス期間の短縮などにより80%以上に引き上げる。
• LNGの代替:高騰するガス発電を抑え、原発と石炭(制限解除)でベースロード電源を固める。
3.他国で「80%」という国はあるのか
結論からいうと、「発電電力量の80%以上」を原発で賄っている国は現在無い。

まとめ
韓国が「80%」という数字を出しているのは、あくまで「今ある原発をフル稼働(80%以上の設備利用率)させて、緊急時のエネルギー不足を乗り切る」という運用上の目標。
かつての文在寅政権下の脱原発政策から一転し、現在の李在明政権(2026年1月の方針転換)や前政権の遺産を引き継ぐ形で、韓国は再び「原発超強国」への道を歩んでいる。
それにしても、韓国の技術や安全に関する考えをみていると、原発なんて大丈夫なのかと心配になってくる。