米軍のドローンに監視されているのを何故ゲリラは気が付かないのか





リアリティに定評があるドラマ『SEAL Team/シール・チーム』だが、監視ドローン(ISR:情報収集・警戒監視・偵察)の姿そのものが画面に映ることは殆ど無い。

ところで、敵の頭上でドローンが飛んでいれば、これにより自分たちが監視されていて、襲撃されるかもしれないと悟られないのか、という疑問が湧く。

結論からいうと、「敵はドローンがいること自体に気づかない」のが現代の特殊作戦における標準的な状況だ。これには軍事技術的な裏付けがいくつかある。

1. 運用高度の「不可視領域」
特殊作戦の支援に使われる代表的な無人機(MQ-9 リーパーや、より小型のRQ-7 シャドウなど)は、通常高度3,000m〜7,000m以上を飛行する。

• 視覚:この高度にいるドローンは、地上から肉眼で見つけることはほぼ不可能で、たとえ快晴であっても、豆粒よりも小さく、空の色に溶け込む塗装が施されている。

• 聴覚:エンジン音は地上に届くまでに拡散・減衰される。特に深夜の作戦では、風の音や周囲の雑音にかき消され、真上にいても音は聞こえない。

2.高性能な光学センサー(カメラ)
ドローンが映らないのは、「標的の真上にいる必要がない」からでもあり、ドラマの映像で見られるような鮮明な赤外線画像や高倍率ズームは、数キロ先から斜めに撮影しても、まるで真上から撮っているような補正が可能だという。

• 標的から数キロ離れた空域を旋回していれば、音も姿も完全に遮断できる。

3.低騒音・小型ドローンの進化
市街地や建物内を偵察するさらに小型のドローン(ナノ・ドローン)の場合、プロペラの回転音を抑える設計が突き詰められている。

• ブラック・ホーネットのような超小型機は、数メートルまで近づかないと羽音に気づかれない。

• 敵が会話に夢中になっていたり、発電機やエアコンの室外機などの騒音がある環境では、まず察知されることはない。

4.敵側の「慣れ」と「技術格差」
ドローンの存在を警戒している高度な軍隊であれば、対空レーダーや電波探知機で察知しようとするが、ドラマに出てくるような武装勢力やテロ組織は、そこまで高度な探知設備を持っていないことがほとんどだ。

• 彼らにとってドローンは「いつの間にか空にいる死神」であり、攻撃(ヘルファイア・ミサイルの着弾やチームの突入)が始まるまで、自分たちが監視されている確証を持てないのが実情のようだ。

作中のような「神の視点」による監視は、高度なネットワーク中心戦の象徴とも言える。