国会議員は高学歴・元官僚など優秀な人材が多いのに、IT理解が極めて浅いケースが多い事実は、なんとも不思議だ。議員は高齢者が多いと言っても、ビルゲイツは70代だから年代は関係ない。
では、何が原因だろうか。最大の原因は「キャリア構造と選抜構造」にあるという。
① 官僚出身者は「IT技術者」ではなく「制度設計者」
日本の官僚、とくに旧通商産業省(現・経済産業省)や財務省などのエリートは確かに非常に優秀ではある。しかし彼らの専門は
• 法制度設計
• 予算配分
• 規制設計
• 政策調整
であり
• プログラミング
• OS設計
• ネットワーク構築
• ソフトウェアアーキテクチャ
ではない。
つまり、 ITを「使う側」「管理する側」であって、「作る側」ではない
② 日本のエリートコースは「ITを避ける構造」だった
日本では長年
最優秀層 → 法学部 → 官僚・政治・金融
理系上位 → 電気・機械 → 製造業
という構造の一方、ITは長く
• 下請け
• 外注
• SIer構造
の中に置かれていて、エリートコースではなかった。
結果として、日本では「ITを深く理解した政治家」が構造的に育ちにくかった。
③ アメリカは逆に「ITがエリートコース」だった
米国では事情が真逆で
Microsoft
Apple
Google
などが国家の中核産業になった。
その結果
• 優秀層がITに流入
• IT経験者が政策に関与
• 技術理解者が政治にも影響
する構造が形成された。
ビル・ゲイツが例外なのではなく、「ITが最も優秀な人材を吸収した社会構造」だという事だ。
④ 日本の政治家の選抜は「IT能力」を評価しない
国会議員になる典型ルートは
• 世襲
• 官僚
• 地方議員
• 業界団体出身
ここで評価されるのは
• 調整能力
• 人脈
• 選挙能力
• 利益配分能力
であり、 IT理解ではない。
つまり、 ITができなくても政治家になれる
しかし選挙が弱ければどれほど優秀でもなれない
⑤ 官僚機構そのものがITを外注してきた
日本の行政ITは長年
• 自前開発しない
• SIerに丸投げ
代表的な例では
• 富士通
• NEC
• 日立
などの大手ベンダーが受注し、官僚は「仕様書を書く側」でだった
その 結果、 システムの中身を理解する必要がなかった
⑥ ITは「理解していなくても管理できてしまう」分野
例えば
• 医療政策 → 医師でなくてもできる
• 軍事政策 → 軍人でなくてもできる
のと同様、IT政策も 「技術者でなくても形式上はできる」
ため、深い理解が必須とされなかった。
しかしAI時代に入り、この前提は崩れ始めている。
⑦ 近年は変化が始まっている
日本でも
• デジタル庁の設立
• IT企業出身の政治関係者増加
• スタートアップ出身者の政策関与
など変化は起きている。ただし、米国に比べるとまだ初期段階といえる。
⑧ 最も本質的な理由
最大の理由は、日本では「ITは長く国家中枢の権力源ではなかった」
しかし現在、 AI・ITは
• 経済
• 軍事
• 情報統制
• 国家競争力
の核心となった。
そのため今後は
• IT理解のある政治家
• 技術バックグラウンドの政策担当者
は確実に増える。
結論
国会議員がITに弱いのは、
• 知能の問題ではなく
• 年齢の問題でもなく
「ITを理解しなくてもエリートになれた歴史的構造」
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そういえば河野太郎は笑い者になり、今回の衆議院選挙でチームみらいが異例の躍進をしたが、これも新しい時代の象徴だろうか。