AI時代・DevOps 時代において「ドメイン知識」は差別化の核心になると言われているが、そもそもドメイン知識(Domain Knowledge)とは、何だろうか?
■ ドメイン知識とは?
特定の業界・分野・業務に固有の専門知識のこと
ITスキルとは別物な事に注意。
■ 例で説明すると
① 金融ドメイン
• 信用リスク(債券や融資などの取引相手(企業・国など)が、財政難や経営不振、倒産などの理由で元本や利息を予定通りに支払わない「債務不履行(デフォルト)」に陥る可能性)とは何か
• デリバティブ(株式、債券、為替、商品(金、原油など)といった「原資産」から派生して生まれた金融商品)の仕組み
• 金融規制(バーゼル規制(国際的に活動する銀行が倒産しないよう、自己資本比率の維持やリスク管理を求める国際的な統一基準)など)
• 決済フロー(ECサイトや店舗で顧客が商品・サービスを購入する際に、注文確定から支払い完了までの一連の手順)
→ 単にプログラムを書けるだけでは金融システムは作れない。
② 製造業ドメイン
• 生産管理(MRP:製造業において製品の生産計画に基づき、必要な部品や材料(資材)を「必要な時に」「必要なだけ」調達・製造するための計画・管理手法)
• 在庫最適化(需要予測に基づき、過剰在庫(余分なコスト)と在庫切れ(機会損失)を同時に防ぎ、最も効率的な「適正在庫」を維持する経営活動)
• 品質管理(QC七つ道具:パレート図、特性要因図、グラフ、ヒストグラム、散布図、管理図、チェックシート)
• 設備保全(工場やビルなどの生産設備・インフラが安全かつ安定して稼働し続けるよう、点検・修理・部品交換・清掃を計画的に実施する活動)
→ これを知らないと工場DX(デジタルトランスフォーメーション、IoT・AI・ビッグデータなどのデジタル技術を活用し、製造現場の機器・プロセス・業務文化を抜本的に改革すること)はできない。
③ 医療ドメイン
• 診療報酬制度
• 電子カルテの業務フロー
• 医療法規
→ ITだけでは医療システムは設計できない。
■ なぜ今、ドメイン知識が重要なのか?
AIによって
• コーディング(プログラミング言語やマークアップ言語(HTML/CSSなど)を用いて、設計書に基づきコンピューターが処理・表示可能なソースコードを記述する作業)の難易度は下がる
• 基本的な実装は自動化される
しかし
「何を作るべきか」
「業務にどう組み込むか」
「どこにリスクがあるか」
これはドメイン知識がないと判断できない。
■ 数式で表すと
エンジニアの価値 = 技術力 × ドメイン知識
技術100でもドメイン0なら価値は低い。
技術60でもドメイン80なら非常に強い。
■ 具体例(DevOpsとの関係)
例えば:
❌ ツールだけ詳しい人
「Kubernetes使えます」
✅ 強い人
「金融系システムで、監査ログ要件を満たすCI/CD
設計ができます」
後者はドメイン理解がある。
■ 大手企業で評価される人材
特に日本の大手は
• 製造
• インフラ
• 金融
• 医療
• 自動車
など「業界特化型」企業が多い。
そのため 技術だけの人より、
業界を理解している技術者が重宝される
■ 中堅工業系大学院出身者の強み
例えば:
• 機械系 → 製造ドメインに強い
• 電気系 → パワー・半導体ドメイ
ここにDevOps やAIを掛け算できると非常に強い。
■ どうやって身につける?
1. 業界研究を徹底的にやる
2. 業界特化の本を読む
3. 実際の業務フローを学ぶ
4. インターンに行く
5. 企業のIR資料(上場企業が株主や投資家に向けて、経営状態、業績、財務データ、今後の成長戦略などを開示する公式な文書・資料の総称)を読む
■ 今後のキャリアの本質
AI時代は
「何でもできるエンジニア」より「〇〇業界に強いエンジニア」
の方が生き残る。
こりゃ、必死でMARCH文系を目指している場合じゃないぞ。
でも、数学が苦手で‥‥だって。
それなら、国語だけで入学できる工学部がある!