イーロンマスクは数年後にテスラロボットが外科手術をするようになる、と言っている。AIが内科医の代わりになるのは判るが、外科までが人間を必要としなくなる世の中は、本当に来るのだろうか。
これに対し AIは
「結論を言うと‥‥一部は来る。しかし“完全に人間不要”はかなり遠い」
と回答している。詳しくは‥‥
マスク氏の発言は「技術の方向性」としては理解できるが、時間軸はかなり誇張が入っている可能性が高い。
① まず現状
実は外科ロボットはすでに存在する。
代表例としてはダヴィンチ(da Vinci Surgical System)
しかしこれは、自律ロボットではなく、医師が遠隔操作する精密マニピュレーターであり、AIが手術しているわけではない。
② 内科AIと外科AIの決定的違い
内科(診断系)
・画像診断
・液データ解析
・例パターン認識
→ これはAIの得意分野(統計処理)
すでに人間と同等かそれ以上の領域もある。
外科(物理操作)
ここが本質的に難しい。
・外科は、個体差が大きい
・臓器の柔らかさが毎回違う
・ 出血や癒着が想定外に起こる
・ 一瞬の判断で命が左右される
つまり、連続的で予測不能な物理世界であり、これは画像診断よりはるかに難しい。
③ 技術的ハードル
AI外科医に必要なのは
・超高精度3Dリアルタイム認識
・触覚フィードバック
・ミリ単位の安定制御
・想定外事態への即応判断
・法的責任の所在
今のAIは①はかなり進歩、②③は研究中
そして次の④⑤が超難関。
④ それでも「部分的自律化」は進む
今後起きそうなのは
・縫合だけ自動化
・特定の定型手術のみ自動化
・血管吻合などミクロ手技の自動化
例えるなら
・飛行機の自動操縦のようなもの
・完全無人ではなく
・人間監督型AI外科
が現実的。
⑤ 本当に“完全自律”は来るか?
理論的には可能である。
ただし、法律、倫理、国民感情、医療事故時の責任問題
が巨大な壁になる。
技術よりも社会制度の方が遅い。
⑥ ではマスク発言は荒唐無稽か?
いいえ、彼が言っているのは
ロボットの精密制御技術
× AIの空間認識
× 大量データ学習
が結びつけば可能、という未来像。
Tesla Optimusが医療ロボットになるかは別として、 ロボット外科の自律化は確実に進むであろう。
⑦ では医師は不要になるか?
おそらく答えは
外科医は「手を動かす人」から「戦略を決める人」に変わる
・手術計画の策定
・AIへの指示
・リスク判断
・最終責任者
になる。
⑧ 未来像(20~30年スパン)
可能性が高い順
・AI診断補助(ほぼ完成)
・手術支援AI(進行中)
・半自律手術(高確率)
・完全自律外科医(限定分野なら可能)
・人間外科医不要(かなり遠い)
内科AIは「情報処理」
外科AIは「物理世界操作」
後者は難易度が桁違い。
ただし、技術は“直線的”ではなく“指数関数的”に進む。 もしAIが、「物理世界のリアルタイム理解」を突破すれば、一気に進む
という事のようだ。
ところで、歯科医についてはAIが原因とはいえないが既に歯科大学の偏差値が35まで落ちている例もあるようだ。