音の可聴帯域(低音〜高音)を複数の固定された周波数帯(バンド)に分割し、それぞれの帯域をスライダーで視覚的にブースト(増幅)またはカット(減衰)して音質を調整するグラフィックイコライザー(グライコ)を導入すれば部屋の特性を補正出来、特別の部屋などに大金を投入する必要もない‥‥かもしれない。
という事で、グライコを導入しようかと思いたった。
グライコといってもピンからキリまであり、高級品は極めて高価だが、最近は低価格のPA用機材も出ているから、それほど予算は必要としない。その中でも、最もローコストでまとめるならば15バンドのステレオ用で2万円以下で入手できる。

更に細かい調整がしたければ31バンドとなるが、これは人間が耳で聞いて調整するのは無理であり、何らかの測定装置を必要とするだろう。

考えた結果今回、dbx 231Sを購入してみた。前述のように31バンドの調整は特性の測定が必要となる。そこで、先ずは素の特性を測定すると


左右を比較すると傾向は似ているが、中音域では3db以上の違いがでている。また左右とも4kHz付近から12db近くも持ち上がっている。
ここでグライコの登場となるが、何度かトライした結果ローカットスイッチを使用した方がフラットに近くし易かった。結果をRchで示すと

では、超低域をどうするかと言えば、ここはサブウーハーで補強する事にした。

折角、サブウーハーを使うのだから、超低域を更にフラットにしようとトライしたが、実際に耳で聞くと不自然さを感じ、結局上図のような特性に落ち着いた。やはり、サブウーハーは隠し味程度に使うのが効果的という事だ。
この時点でのセッティングは

因みに下段はパワーアンプで、クラシックプロ CPL150。小規模のPAとして小出力ではあるが、家庭では全く問題ない。それよりも価格が2万円という、これまたコスパが超良いので有名な機材だ。最大の欠点は見た目がチャチい事だ。
とは言え、入力はXLRで出力はスピコンという完全プロ仕様となっている。プリアンプ代わりのミキサーからグライコまでは5ⅿのケーブルで接続しているが、そこはバランス接続の強みで全く問題なく使用できる。
ここでグライコの有り無しを比較してみると、アリでは確かにフラットなのだろうが、言い方によっては今まで感じた中高音の粒立ちのように感じた部分が無くなってしまった、とも言える。
実はメインのスピーカーは低価格のPA用を元にオリジナルのコーンツイータに替えて、上級機種用のホーンツイータに取り換えたものだ。実際に聞き比べると、流石はホーンツイータらしく、高音が極めてクリアーになった。

しかし考えてみれば、ホーンツイータの方が効率が良いために中高音域が盛り上がり、それが原因で高音がクリアに感じたのではないだろうか。
一部では、オーディオに於ける音の違いの殆どは周波数特性だと言い切っている意見もあるが、なるほど一理はある。
とりあえず設定はしてみたが、今後は色々トライする必要がありそうだ。とはいっても、あくまで目的は音楽を聴くためという事を忘れないようにしないと、何をやってるのか判らなくなる可能性もあり、これはある面、危ないおもちゃでもある。