ボッタくりとも言われている超高級オーディオだが、最近のプリアンプにはプロ用でお馴染みのXLRコネクタ(バランス接続)が併設されている例がある。

この意味は何だろうか?
プロがこの手の機器を業務用に混在させることはあり得ない。何故ならコスパが極めて悪いことと、妙な味付けの音は業務では寧ろ欠点となるからだ。
実は高級オーディオの文法の中で「正当性・格式・安心感」を演出するためにXLRが付いているのだった。
これらのアンプは基本はアンバランス回路設計であり、XLRは変換(疑似バランス)しているだけ。+4dBu基準ではない→真の業務機レベルではない。
そのためMOTU M2等のオーディオインターフェースを入力に繋いだり、業務用のパワーアンプを出力に繋いでも、レベルも思想も合っていないし、業務的のメリットはほぼ無いというのが現実のようだ。
では何の為にXLRかといえば、高級オーディオ市場では、XLR=高級、RCA=安物、バランス=プロっぽいという記号的価値が強烈であり、「この価格でバランス無し?」と言われないための「格」を維持するためだった。
ぶっちゃけ、高級オーディオの顧客層は技術を深く理解していないが、価格に対する不安は強い。そのため「将来、業務機を繋ぐかもしれない」「環境が変わっても対応できる」という心理的逃げ道を用意する習性があり、実は将来的にバランス接続機器を使う事は無いのだ。
勿論メーカーはそんなことは百も承知の確信犯であり、事情により業務機に見える民生機を作り続けるしかないのだった。
その理由は業務機のユーザーは商売だから極めてコスパに厳しく、その結果単価が低いし台数も出ない。おまけに値引き前提、保守が重要であり、この分野は外国の専門メーカーが世界的規模で市場を押さえているからだ。
そこで考えたのが高級オーディオマニア向けの市場で、勿論ここも市場は小さいが、その分は利益率が抜群だから、何とか経営が成り立つのだった。
そして、大型のメーター、無駄のないパネル、威圧感のない高級感で、「仕事に耐える機械」に見せているのだった。
ところで、日本にも業務用機器で世界的にメジャーなメーカーは無いのかと言えば、その代表はヤマハだ。そう、あのグランドピアノから管楽器から、エレキギターから‥‥もうなんでも作つている楽器業界の超メジャー企業だけあって、コンサート絡みでPA機器も作っている。
一例をあげると、300W×2(8Ω)のパワーアンプが7万円。

当然入力はXLRでスピーカー出力はプロの定番であるスピコンとなっている。
では、高級オーディオパワーアンプでは

60W×2(8Ω)で価格は130万円也!
まあ、これ以上、何も申す事はありません。