中国のEdifierという音響メーカーの小型モニタースピーカーの評判がすこぶる良い。パワーアンプを内蔵したパワードスピーカーなので、PCやスマホと接続すればスピーカーで音楽を楽しむことができる。価格はペアで約1.5万円だが、Amazonでは定期的にディスカウントを行うので、上手いタイミングで購入すれば約1.2万円で購入できる。

そして先日、このスピーカーの販売サイトを見たらば、タイミング良くディスカウントを行っていたので、即ポチってしまった。
製品は翌日到着し、早速梱包を開けて製品を並べてみた。本体と電源コード、左スピーカーへの接続ケーブル、RCAケーブルとステレオミニジャックの接続ケーブルが同梱されている。

接続は右スピーカーで行い、左へはスピーカーケーブルで接続するタイプだ。入力はRCAと標準プラグ(TRS)の2種類で、プラグはステレオプラグと同じ形状でバランス接続ができるTRSタイプも使用できる。なるほど「モニター」と謳っているだけあって、バランス接続のスタジオ用機器にも適応できるのだった。


先ずはテストを兼ねての音出しとして、サブで使っているノートPCに接続してみる。これはRIZEN5搭載のどこにでもありそうなもモデルで、この側面にあるステレオミニジャックの出力をRCA入力に接続して音を出してみたらば‥‥
な~る程、評判の良いのも当然だ。今回は未だ実施しなかったが、スマホと接続することで日頃イヤホンで聞いている曲を、自宅でスピーカーに出して聞くという用途にピッタリだ。

そしていよいよ本命として、メインのPCからDTM用のオーディオインターフェースを介しての接続で音出しを行う。
比較として、DTMのモニターとして使用しているGENELEC8020の音を聞いて、その後Edifierと比較する。GENELECといえば、今やスタジオモニターの定番中の定番であり、世界中の録音スタジオに必ずあるといってもオーバーではない代物で、実際にこの大きさからは信じられないような低音や、自然な音質は伊達じゃあない。
それではEdifierはどうだろうか。何しろ価格は一桁違うのだから、まあ多くは望まないが‥‥。
その結果は‥‥
あっ、と驚く事に、GENELECと見紛う、いや聞き紛うくらいに似た音がする。ブラインドテストを行ったらば、恐らく簡単には判らないだろう。
恐るべき中華オーディオの実態を見てしまった。
こりゃ、商品レビューで高評価なのも当然だ。
中国製といえば安かろう悪かろうの典型で、特にEVなどはハッキリ言って使い物にならないのが本当のところだし、高速鉄道も高層ビルも低品質のパチものマル出しだが、このスピーカーに関してはその「期待」を完全に裏切られた。
と、ベタ褒めしてはみたが、冷静になって考えると、チョイといまいちな面もある。特に接続する機器(プリアンプなど)によっては入力不足となり、十分な音量が出ない事がある。今回は業務用のディストリビューターアンプから分配した入力を入れてみたが、出力インジケータが0dBを超えて黄色が点灯するレベルでもスピーカーの音量は不足気味だった。
結局、更にヘッドホンアンプを通しての接続で必要な音量を稼ぐことができた。
音量調整をするボリウムつまみは正面にあるが、これはステップ式で各段階が荒く、しかもエンコーダと思われるフィーリングであり、実際に速く回すと遅延が感じられる。
とまあ、他にも細かい事を言えば不満もが、価格を考えれば文句を言う方がどうかしている、という訳で、いやいや、恐れ入りました。
これだから世界中の国が中国と完全に縁を切れないのが実情だ。
これに対してお隣りさんはといえば、完全に切り捨てても殆ど影響はないところが大きな違いだ。