大学工学部に女子枠導入の波が


最近の大学入試の話題で、「女子枠」なる言葉が注目されている。これは女子の入学者を増やすため、理工系学部を中心に導入が進んでいるもので、2024年度入試では33大学が女子枠を実施したという。

女子枠の導入によって学部のジェンダーバランスを改善し、学生の多様性が促進される効果が期待されるが、「逆差別」「女子枠のスティグマ化(特定の人や集団に向けられる否定的で間違ったとらえ方)」といったネガティブな意見もある。

ところで理工系とはいうが、比較的女子でも選びやすい化学などの理学系や、工学系としても情報や電子などで、ガチな機械工学や土木工学などの、男子でさえ敬遠するような3K学科に設定はないだろう、と思っていたら‥‥

芝浦工業大学では、機械工学系や土木工学系にも女子枠を設定しているし、他にも同様の大学があるという。なお、芝浦工大は私立としてはいち早く、2018年から女子枠を導入している。

この結果、同大学の女子学生(1~4年生)の占める割合が2019年度には17.9%だったものが、2025年度には27.8%まで上昇した、という。

最近は男子高校生でも数学を毛嫌いする生徒が多く、結局文系3科目で受験できる私立文系大学が受験のボリュームゾーンとなっている。となれば、数学の得意な女子を発掘して工学部に入学させ、エンジニア不足の対策となればこれは喜ばしい事だ。

とは言っても、国立難関大などでは、折角の美味しい女子枠の定員が埋まらない、なんて事もあるようで、そう簡単には解決できないだろう。