10年前には頻繁に見かけたメルセデスベンツやBMWは何故いなくなったのか


10年前の市街地を歩けば、メルセデスベンツやBMWが国産車に混じって結構走っているのが見られた。ところが最近は殆ど見かけなくなってしまった。この状況を原因を考えてみる。

最初に思いつくのは円安による価格の上昇だろう。そこで、最近10年間の為替レートとBMWBMW 3のベースグレード価格を比較してみた。

BMW 3-シリーズMSRP(JPY、赤線)とUSD/JPY(為替レート、黄色線)年間平均(2015-2024)

これをみれば、確かに円安により販売価格は上昇しているが、実は円安となる前から、徐々に販売価格を上げていたのだった。

次に価格上昇に対しての販売台数の推移はどうなっているのだろうか。

BMW 3シリーズ–2015-2024のベースグレードメーカー希望販売価格MSRP(JPY)と登録台数の関係

結果を見れば、価格上昇(赤線)と共に販売台数(青線)は大きく減少している。販売価格は2017年の460万円を下限として2924年には630万円にまで上昇している。

要するに、円安を主な理由として価格上昇により、販売実績も下降していったという事だ。これを生成AIの力を借りて整理すると‥‥

・2010年代前半、円高(1ドル=80〜90円台)だったため、メルセデスやBMWのCクラス/3シリーズが 500万円前後で購入可能 だった。
・しかし現在(2025年)は円安と物価高により、 同クラスでも700〜900万円台、上位グレードは1,000万円超が普通になっている。

結果、かつて「中流サラリーマンの夢」だった輸入車が、今では「富裕層専用」になってしまった。
→ 「買える層」が縮小し、街中で見る機会も激減。

因みに、上記のグラフは生成AIに作ってもらったもので、自分で作ったらば1日以上かかりそうだが、ChatGPT先生は約1分で作ってくれた。多くの場合、質問に対して数秒で答える能力で、1分というのは大した大作だ(笑

ところで、ChatGPTは他にもドイツ車販売低下の理由を述べているが、オールドメディアが言いそうな内容だった。そりゃあ、まあ、そもそも出展元がオールドメディアなのだから当然だが。その内容は
・日本車の質的進化
・故障率、維持費、アフターサービス問題
・EV、デジタル対応の遅れ
・新しい「輸入車人気」の移行

それで、上の二つは否定しないが、最後の人気ブランドの移行については胡散臭い。
そして伸びているブランドとは
・Volvo 安全性・デザイン・ハイブリッド化で女性人気
・MINI / Fiat / Peugeot デザイン重視のコンパクト層
・Tesla / BYD / Polestar  新世代EVとしての注目度

というのだが、 中国資本のVolvoを持ち上げたり、これぞ中国というBYDなんて、日本に進出したもののまるで目標に達せず、この状況ではディーラーの経営が持たない状況にも関わらず販売が伸びている‥‥だってえ。

結局、メルセデスベンツとBMWの不振は、円安による高価格化で中流サラリーマンが買えなくなった事と、ドイツ全体の左傾化に乗っかって無意味な環境適合などに走った事でクルマ自体の魅力が落ちたというオウンゴールが原因だった。