スーパーカーの代名詞と言えばフェラーリ、ランボルギーニであり、日本にもレクサスLFAやホンダ NSXなどのスーパーカーがあり、米国もフォードGTやコルベットZR 、最近ではテスラ・ロードスターなど、自動車生産の主要国にとっては技術の象徴であるスーパーカーは必須となる。


またドイツについては、イタリアンスタイルの如何にもスーパーカーとは一線を画すがポルシェやメルセデスAMGの上位車種は性能的にはスーパーカーの分野となる。

そして、イタリアンスタイルのスーパーカーは何とも華があり、この手のセンスはイタリアに敵わないものがある。


その自動車技術の象徴について、今や自動車生産大国となった中国には、実はスーパーカーがあったのだ。
2021年末に発表された紅旗(ホンチ―)ハイパーカーS9で、紅旗は共産党の高官用リムジンなどの超高級車を作っているメーカーであり、自動車大国となった中国の威信をかけての発表だった。
まずはエクステリアを見ると、な~る程、これは如何にもスーパーカーという雰囲気に溢れている。実はこのクルマは元フォルクスワーゲン・グループのデザインチーフでアウディR8の設計も担当したウォルター・デ・シルバ氏によるものだった。

車体の前方にヒンジがあり、上方向にハサミのように開く、ランボルギーニ・カウンタックから始まったシザードアも、スーパーカーのお約束だ。

リアミッドシップのエンジンルームもスーパーカーの定番となっている。

パワートレインはV8エンジン+電気モータ3機のPHEVで、システム出力は1,400psという。その性能は0~100㎞/hが1.9秒、最高速度402㎞/hというが、実際にその性能が出せるのかは、当然疑問があるが、まあ、こういうクルマはハッタリが必要だから、それで良いのだろう。
それでも兎に角、中国でもこういうクルマを作れるようになったのか、と思ったら、実は実際の設計は勿論、部品供給もイタリアの設計会社(Silk-FAW JV)が担当しており、言ってみればOEMのようなものだった。