昨年7月に起きた護衛艦の中国領海侵入事件 について、自衛隊は「スイッチが入っていなかった」という何とも不可解な理由をあげているが、どう考えても怪し過ぎる。
そしてこの事件について新たな解釈がでてきた。それは意図的に領海に侵入し、どの「程度で警戒を発するか」「どのセンサーを作動させるか、そして「通信暗号や交信パターン」を収集するための行動だったのではないか、というものだ。
具体的には
1. 反応時間の測定
◦ 中国海軍・海警が警告を発するまでの時間
◦ 対応部隊の出動経路・速度
2. 通信・レーダー波形の収集
◦ 警戒レーダーや火器管制レーダーの周波数・出力パターン
◦ 暗号化通信の方式
3. 現場指揮系統の把握
◦ 現場で判断して警告するのか、北京の中央指令待ちなのか
◦ 指揮系統の遅延時間や迷いの有無
4. 心理的・政治的反応の分析
◦ 事件発生後の中国外務省・国営メディアの論調変化
◦ 国内向けと対外向けの情報発信差
などの情報を収集したと推定されるのだった。
西側では、中国軍はハード面は進化しているがソフト面(即応判断と危機管理)はまだ偏りがあるという評価が多く、今回の侵入でこれらに対する貴重なデーターを取得したという事になる。
となれば、この結果は当然米軍とも共有しているだろう。
軍事の世界では、意図的に相手国の防衛ラインに近づき、相手の出方を見る事は常套手段というが、多くは境界線ギリギリまで近づく程度で、本当に侵入するのはリスクが大きいため、本当に自衛艦が意図的に行ったかについては、これまた何とも不可解だ。