先日の「私立高校授業料無償化で凋落する公立高校」で低偏差値の高校を調べている際に、「エンカレッジ」と表記されているものがあった。これは何かと調べてみたらば、「エンカレッジスクール」の事だった。
エンカレッジスクールとは、東京都が指定する全日制の高校で、学力の遅れた生徒の学び直しを目的としている。普通科や工業専門科などがあり、エンカレッジコースという通信制課程も設置されている学校もある。
【エンカレッジスクールの特徴】
・学力考査がなく、入試は調査書・面接・作文が中心
・30分授業や習熟度別授業、二人担任制、体験学習の重視など特色ある教育課程
・小中学校で十分能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、励まし、応援する
・発達障害などがあり、特別な配慮が必要な生徒の学び直しにも力を入れている
・インターンシップを中心とした就労支援体制を充実させている
【エンカレッジコースの特徴】
・自分の状況や能力、方向性に応じて学習スタイルを自分で選ぶことができる
・日々の学習を充実させるには、通信制課程の仕組みを理解し、自学自習の習慣を身につけることが大切
・自己管理能力を向上させ、自ら学び、努力できる人間に成長することを目指している
成程、取り組みとしては中々良いとは思うが、家族からすれば近隣から「特殊学級」みたいに誤解されたなど、入学に躊躇する事もあるかもしれない。
次に実際にエンカレッジスクールとして指定されている高校を調べたらば以下の6校があった。なお工業科については、「キャリア技術科」と表記しているようだ。
普通科が4校で工業科が2校と、意外にも普通科の方が多かった。偏差値では東村山高校が42と、決して底辺ではないが、それでも卒業生の口コミを見ると、生徒は全くやる気がないとの書き込みがあった。
結局、全く学力がない生徒が、最低限の学力(簡単な読み書き・計算・社会生活に必要な知識)を身につける場としては一定の成果をあげているようだが、普通科高校の卒業生と同等の学力を身につけるのは難しく、進学には不向きという。
ところで、偏差値39以下の高校が25校もあるにも関わらず、この中でエンカレッジコースとなっているのは僅か4校であり、残る21校はどんな教育を行っているのだろか?