加計学園経営の千葉科学大学 沖縄の学校法人へ事業譲渡




千葉県銚子市の「千葉科学大学」は、銚子市が90億円近くをかけておよそ20年前に誘致し、岡山県に本部がある学校法人「加計学園」が設置している。

しかし、長く定員割れが続いて厳しい経営となり一昨年、公立大学への移行を市に要望したが、これに対して検討を行った市は昨年、学園側に公立大学への移行には学部・学科の削減が必要で、運営の継続が難しい場合は別の学校法人への譲渡などに期待するとした考え方を伝えていた。

結局、加計学園側は公立大学への移行を見送り14日、沖縄県名護市の学校法人「大城学園」との間で大学の事業の譲渡に合意したことを発表した。ただし、譲渡後も大学の名前や現在の学部・学科、学生の定員などを維持する内容で、来月国に対して大学の設置者を変更する認可申請を行うという。

では千葉科学大学の入試倍率はというと、3学部全てで定員割れ状態だった。そして偏差値はというと
薬学部:35.0
危機管理学部:パイロットコース 42.5 その他 BF
看護学部:BF

国家試験があり6年制の薬学部でもBF直前の35.0では、入学者の何%が薬剤師の資格を取得できるのだろうか?

危機管理学部はパイロットコースのみ42.5 だが、それ以外はBFで、要するに限りなく全入大学で、これじゃあ専門学校と変わりなないという事になる。

それでもある程度の偏差値があるパイロットコースだが、果たしてここを卒業してエアラインのパイロットになれるのだろうか。

では同じくパイロット養成の学科を持つ私立大学で、エアラインへの就職実績も持っている東海大学の場合を見ると、実は航空操縦学科の入試は共通テストのみで、国立大学相当であり、私立理系のような偏差値が判らない。そこで、共通テストの合格ラインで調べると

東海大学工学部航空操学科 共通テストのみ 66%
埼玉大学工学部機械工学科 67%
茨城大学工学部機械システム工学科 58%

機械工学科としての埼玉大学と同等で、茨城大学よりも上位となるから、国立中堅大学並みの学力が必要であり、千葉科学大学に比べて難易度はかなり高そうだ。

加計学園といえば以前、モリカケ問題で世間の批判を浴びた事もあり、それにより、同学園の「偏差値貧困商法」が世間に知れ渡ってしまったが、千葉科学大学についても、流石に受験生は少なくて当然だ。

在校生の話では、薬学部の1年時の数学は分数の通分、英語はBe動詞の使い方だというから、それぁ、薬剤師の国家試験どころの騒ぎではない。

そんな大学を買おうという沖縄の学校法人って、一体どんな組織なのだろうか?

Wikipediaによると、沖縄県名護市にある全日制と通信制の高等学校を運営していて、経営者は沖縄出身で、医療・健康機器の開発メーカーであるエナジックグループの会長でる沖縄出身の大城博成氏が理事長を務めている。

そこで、「エナジックグループ」そ調べてみたらば
「還元水」と呼ばれるアルカリ電解水の生成装置やウコンのサプリメントなどを販売していて、2010年には特定商取引法違反(不実告知など)で9カ月の業務停止命令を受けた。また2018年には前年3月期までの数年間での約30億円の申告漏れを指摘され、うち8億円を所得隠しとして認定された。追徴税額は約9億円。日本経済新聞によれば「マルチ商法業者」であるとされる。

やれやれ、こんな連中と関わる必要がある銚子市については、なんともご愁傷様だが、先行きの見通しが甘すぎた事による自業自得という事だ。とはいえ、市民はたまったもんじゃない。