ここ数年話題になっている、大学のデーターサイエンス系の学部・学科は、このところ続々と新設されている。伝統的な大学が新たに追加したり、それも文系大学に新設されたり、受験生憧れの有名大学からFランまで、正に玉石混合状態だ。しかし、これ、言ってしまえば「なんちゃて理系」だ。
これについては既に当ブログでも取り上げている。
⇒最近新設が多い 大学の「なんちゃって理系」って何?
しかし、この時はデーターサイエンス自体がどんなものなのかについては触れていなかった。そこで、今回はその続編として、データーサイエンスとはなにかについて簡単に纏めてみた。
まず一口に言うと、データサイエンスとは、数学や統計学、情報工学、プログラミング、機械学習などの理論や実践を組み合わせて、大量のデータを分析・解析して有益な知見を引き出す学問という事だ。その応用分野は広く、ビジネスや政策など様々な領域で注目されていて、顧客情報や売上データなどの膨大な情報から課題を見つけ出したり、事業戦略を練ったりする役割を担うという。
ガチな工学部、取り分け機械系学科で1年から2年に進級できない代表例は数学、すなわち微分積分、偏微分方程式、線形代数を落としてしまい、数学系を落とすとその先の専門科目に進めないために一発留年となる。これこそが、ガチな工学部の人気の無い理由の一つだが、データーサイエンス系もこれらの数学を使う事になり、そうなると、ド文系の高校生がナンチャッテ理科系として気軽に進学しても、果たして無事卒業できるのだろうか?
となると、本当にデータサイエンスを身に着けるには結構なレベルの基礎学力が必要であり、実際に定評のあるデータサイエンス系は東大・京大・橋大・東工大、通称東京一工といわれる超難関大学だったりする。まあそこまで行かなくとも、少なくともFラン大学では身に着けられるモノではないようだ。
にも関わらず、次から次へとデータサイエンス系が増えるのは、昨年7月に文部科学省は、デジタル・グリーン分野等に特化した学部を整備する大学に対して、最大で20億円を交付する新事業を立ち上げた事で、その恩恵にあやかろうという大学が多いためだ。
これらの補助金の申請に当たっては複雑な制度を熟知している有能な職員が必要で、その為には文科省から天下りを受け入れる事になる。ところが、その天下りも、大学のランクによって人材のレベルが異なり、Fランクラスだと、ノンキャリアでしかも高卒というのが実情で、実際には殆ど役に立たないが文科省とのパイプを少しでも維持する事で有利になるかもしれないと、涙ぐまし努力をしているという。