トランプ氏、イランがホルムズ海峡に敷設した機雷の撤去には「それほど時間はかからない」





トランプ大統領はホルムズ海峡に敷設された機雷の除去作業を開始したと表明した。また、FOXニュースのインタビューで、イランがホルムズ海峡に敷設した機雷の撤去には「それほど時間はかからない」との見通しを示したが、一部ではトランプ氏のハッタリだ、とも言われている。

しかしこれは、ハッタリとは言い切れない、米軍の圧倒的な軍事能力に基づいた「戦略的自信」の表れと言った方がいいだろう。

1.米軍の圧倒的な掃海能力
米軍が「短期間で終わる」と自信を見せる背景には、最新の技術力がある。

• 水中ドローンの投入: 米中央軍(CENTCOM)は、最新の自律型水中無人機(UUV)「ナイフフィッシュ」などを投入し、有人艦艇を危険にさらさずに機雷を迅速に特定・無力化する体制を整えている。

• 「機雷敷設艦」の壊滅: トランプ氏は4月11日、イランの機雷敷設船28隻をすべて撃沈したと発表した。これが事実であれば、イラン側は「新たに機雷を撒く能力」を失っているため、米軍は残された機雷の処理だけに集中できることになる。

• 多国籍の協力: 英国など掃海技術に長けた同盟国も協力しており、総力戦で挑んでいる。

2.トランプ流の「心理戦」
トランプ氏の発言には、常に政治的な「ディール(取引)」の側面がある。

• 市場への安心感: 原油価格の暴騰を抑えるため、あえて「すぐ片付く」と強調することで、世界経済のパニックを防ごうとしている。

• イランへの圧力: 「お前たちの機雷など、我々の敵ではない」と公言することで、イラン側の抵抗の意志を挫く心理的効果を狙っている

3.「ハッタリ」と言われるリスク(懸念点)
一方で、専門家が「楽観視しすぎだ」と指摘する理由も無視できない。

• 沈底機雷の脅威: 海底に隠れる機雷(沈底機雷)は、最新のソナーでも発見が難しく、一発でも残っていればタンカーは航行できない。「100%安全」と言い切れるまでには、どうしても一定の物理的な時間が必要となる。

• イラン側のゲリラ戦: 組織的な海軍は壊滅していても、小型ボートや潜水隊による散発的な攻撃(非対称戦)が続く限り、作業は中断を余儀なくされる。

【結論】 トランプ氏の発言は、「イランの組織的な妨害能力をほぼ無効化した」という軍事的事実に基づいた自信であろう。しかし、民間船が安心して通れるようになるまでの「100%の安全確保」という点では、トランプ氏が言うほど一瞬で終わる作業ではない、というのが現実的な見方だ。

日本としては、米軍の掃海作業の進捗とともに、イラン側が「最後の手段」としてどのような妨害に出るかを注視する必要がある。