トランプ大統領がTruth Socialで行った主張は、イスラマバードでの米イラン協議が「合意なし」に終わった直後のタイミング(2026年4月11日〜12日)に出された、極めて強硬かつ具体的な軍事行動の示唆だ。

内容を整理すると、以下の3つのポイントに要約される。
1.「一掃(Clearing)」作業の開始と目的
トランプ氏は、ホルムズ海峡を事実上封鎖しているイランの脅威(特に機雷)を排除するプロセスを「すでに開始した」と宣言した。
• 世界への「恩恵」:この行動を、日本、中国、韓国、フランス、ドイツなど、同海峡のエネルギーに依存する国々のための「親切心(Favor)」によるものだと強調している。
• 有志連合への不満:同時に、これらの国々が自ら行動を起こす「勇気や意志」を持っていないと批判し、米国が単独で(あるいは米軍主導で)解決に乗り出す姿勢を鮮明にした。
2.イランの軍事能力に対する「壊滅」宣言
大統領は、現在のイランには米国に対抗する力は残っていないと主張している。
• 戦力の無力化:イランの海軍、空軍、対空兵器、レーダー網はすでに壊滅的であり、ミサイルやドローンの製造拠点も「ほぼ消失した」と述べている。
• 残る脅威は機雷のみ:現在の海峡の閉鎖はイランの軍事力によるものではなく、残された「機雷」によるリスクに過ぎないと断じ、機雷敷設に関わる船舶やプラットフォームは徹底的に排除すると警告した。
3.「米国産石油」へのシフトを促す狙い
この投稿の背景には、エネルギー供給の主導権を米国が握るという戦略が見え隠れしている。
• 米国へのタンカー集結:トランプ氏は「(中東の代わりに)多くのタンカーが米国に原油を積みに向かっている」と言及した。
• 新秩序の提示:ホルムズ海峡は「間もなく再開される」としつつも、世界のエネルギーフローを不安定な中東から、安全な米国供給へ移行させる絶好の機会と捉えている。
このメッセージは、バンス副大統領による「外交の失敗」の報告を受けて、トランプ大統領は「外交がダメなら、米軍の圧倒的武力による物理的な封鎖解除を行う」というフェーズに移行したことを内外に宣言した形だ。
これにより、日本などの石油輸入国にとっては、海峡の物理的な通行再開が早まる期待がある一方で、中東での軍事的緊張が極限まで高まるという極めて難しい局面を迎えている。