『イスラマバード、パキスタン、4月12日 (AP) ー J・D・バンス米副大統領は、イラン側が核兵器を開発しないという米国の条件を受け入れなかったため12日早朝、和平合意に至らず協議は終了したと述べた。』
パキスタンのイスラマバードで約21時間にわたり行われた直接協議の、状況と今後の見通しを整理する。
今回の協議が決裂した主な要因は、「核開発の不放棄」と「ホルムズ海峡の封鎖解除」を巡る埋めがたい溝にある。
1.協議決裂の主要な争点
バンス副大統領は、米国側が「最終かつ最善の提案(Final and Best Offer)」を提示したものの、イラン側が以下の条件を拒絶したと述べている。
• 核兵器開発の完全放棄:米国は、将来にわたって核兵器を保有しないという「確実な約束」を求めたが、イランはこれに応じなかった。
• ホルムズ海峡の支配権: 停戦後もイランは海峡の支配権を維持する構えを見せており、自由通航を求める米国側と激しく対立した。
• 資産凍結の解除: イラン側は対価として数十億ドルの資産凍結解除を求めたが、米国側は「核の確約」がない限り認めない方針を貫いた。
2.今後の見通しと注目ポイント
協議は物別れに終わったが、即座に全面衝突へ戻るかどうかはまだ予断を許さない。以下の3つのシナリオが想定される。
① 「ボールはイラン側にある」状態の継続
バンス氏は「提案は残してきた」として、帰国の途についた。トランプ政権(2026年時点)としては、これ以上の譲歩はしないという強い姿勢を示しつつ、イランが経済的困窮から妥協してくるのを待つ「最大限の圧力」を継続すると見られる。
② 暫定停戦の期限切れと緊張再燃
4月7日に合意された「2週間の暫定停戦」の期限が迫っている。この期限までに何らかの進展がない場合、ホルムズ海峡周辺での軍事的な小競り合いや、イスラエルによるヒズボラへの攻撃激化などが再燃するリスクがある。
③ エネルギー市場への影響
「石油備蓄」の重要性が、ここへ来てさらに増している。
• 原油価格の上昇: 合意失敗の報を受け、市場ではホルムズ海峡の長期封鎖が意識され、原油価格の乱高下(スパイク)が懸念される。
• 備蓄の取り崩し議論: 米国や日本などの消費国が、価格抑制のために協調して備蓄を放出するフェーズに入るかどうかが、今後数週間の焦点となる。
補足
バンス副大統領が今回、トランプ大統領の指示で「柔軟に対応した」と強調しつつも決裂を発表したのは、国内向けには「弱腰ではない」と示し、国際的には「イランに責任がある」と印象づける狙いがあると考えられる。
パキスタンが仲介したこの異例の直接協議が「失敗」に終わったことで、当面は「外交による解決」よりも「軍事的・経済的プレゼンスによる封じ込め」に比重が戻る可能性が高いと推測できる。
想定はしていたが、イランは簡単には引き下がらなかった。
これによりトランプ氏が言う、交渉が決裂したら今までにない強力な新兵器を使う、 という事態になるのだろうか。