工学系のある石巻専修大学を専修大学石巻校舎としたら偏差値は上がるか





専修大学は同一法人に工学系のある石巻専修大を設置しているが、これを吸収して専修大学石巻校舎とすれば人気がでるのでだろうか。日大工学部は郡山にあるがそれなりの人気があるようだから、専修大も何とかなるかもしれない。

しかし結論から言うと、「日大工学部」と「石巻専修」では前提条件が大きく異なるため、単なる吸収合併だけでは、かつての日大のような人気(あるいは維持)を勝ち取るのはかなり険しい道だという事だ。

なぜ日大は成功(維持)しており、石巻専修は苦戦しているのか。以下その構造的な違いを整理してみる。

1.日大工学部」が特別な理由
日大工学部が郡山にあっても人気を保てているのは、いくつかの「特殊な歴史的背景」があるためだ。

• 「工学部」としての歴史:1947年設置という圧倒的な歴史があり、東北地方のインフラや製造業に膨大なOBネットワークを持っている。

するに「東北で工学を学ぶなら日大」というブランドが確立されている。

• 「日大」の規模メリット:日大は日本最大級のスケールメリットを活かし、郡山キャンパス単体で完結する巨大なコミュニティを作っている。
• 立地戦略:郡山市は東北第2位の経済規模を持つ中核市であり、新幹線も止まる交通の要所である。

2.石巻専修大学が抱える「吸収」だけでは解けない課題
もし「専修大学石巻校舎」になった場合、受験生にはどう映るのだろうか。

• 「石巻」という立地のハードル:郡山に比べると、石巻は仙台からも距離があり、広域から受験生を集めるには「わざわざそこへ行く理由」がより強力である必要がある。

• 機電系の「空白期間」:石巻専修は2013年に「理工学部」から、より募集しやすい「人間学部」や生物系を含む構成にシフトした経緯がある。一度「ガチの機電系」からソフト路線に舵を切った場所を、再び硬派な工学拠点に戻すには、冒頭の議論通り莫大なコストがかかり過ぎる。

• 「同一法人」としての現実:実は石巻専修大学はすでに専修大学と同じ「学校法人専修大学」が運営している。受験生も「実質的には専修大学の系列」であることは知っているが、それでも現在の志願状況にあるのは、名称の問題以上に「地方私大の理工系」というモデル自体が、国立大学の強い地方圏では苦戦しやすいという構造的問題があるからだ。

2.人気が出るための「逆転条件」
もし仮に吸収して人気を出すなら、単なる名称変更ではなく、以下のような「過激な差別化」が必要になる。


結論:受験生は「看板」よりも「出口」を見ている
日大工学部が選ばれるのは、最終的に「日大工学部のOB枠で就職できる」という確信があるからだ。

専修大学が石巻を吸収して「石巻校舎」としたとしても、「そこを卒業して、生田の文系学生と同じ(あるいはそれ以上の)大企業に入れるルート」が確立されない限り、賢い受験生は「名前だけ専修だけど、中身は地方私大のままではないか?」と冷静に判断してしまうだろう。

受験生をなめてはいけない。彼らは「名前」に惹かれつつも、その裏にある「4年間のコストと、その後の人生のリターン」を非常にシビアに計算しているのだった。