今のAI時代、大学のカリキュラム(専門知識)は「基礎体力」として不可欠だが、それだけでは「AIを使いこなす側」と「AIに代替される側」の境界線で苦労する可能性がある。
文系については今後のAI時代に向けての大学生活はどうするかを述べている。
⇒AI産業革命の今、春からチャラい文系ブランド大に入学する学生はどうすればいいのか
では、理系はどうすれば良いのか。
理系のバックグラウンドを活かしつつ、市場価値を最大化するために、大学のカリキュラム以外に個人的にどうすべきか、これはAI自身が推奨する内容だ。
1. 「AIの仕組み」を数理的に理解する
多くの人が「ChatGPTを使える」レベルで止まる中、理系学生のアドバンテージは「なぜ動くのか」を数式レベルで理解できる点*にある。
• 線形代数・統計学・微分積分: 大学の授業を「単位のため」ではなく、「AIのアルゴリズム(行列演算や勾配降下法など)を理解するため」という視点で取り組む。
線形代数、微分積分といえば、昔から理系に入学して最初の難関とも言えるべき定番であり、これに躓き留年したり、最悪退学に至る例が多いのもお馴染みのものだ。
• Python*の習得: 言語は何でも良いが、AI開発のデファクトスタンダードであるPythonで、ライブラリ(PyTorchやTensorFlowなど)を触っておくことは必須だ。
*Pythonは、1991年に公開されたシンプルで読みやすいコードが特徴の汎用プログラミング言語で、AI・機械学習、データ分析、Webアプリ開発、自動化スクリプトなど幅広い分野で利用され、豊富なライブラリと高い人気を誇るオープンソース言語です。初心者から専門家まで支持されている。
2. 「プロンプト工学」を超えた「AIエージェント構築」
単にAIに質問するだけでなく、「AIに特定のタスクを自律的に実行させる仕組み(エージェント)」を作る訓練が、今後の実務で極めて重要になる。
• RAG(検索拡張生成)の理解: 独自のデータ(教科書や論文PDFなど)をAIに読み込ませて回答させる仕組みを自作してみる。
• API*の活用: 各種AIのAPIを組み合わせて、自分の日常を効率化するツールを自作する経験は、就職活動でも強力な武器になる。
*API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェアやプログラム、Webサービス同士が互いの機能やデータを連携するための「窓口」となるインターフェースで、主にWeb APIが利用され、開発者は一からプログラムを組まずに機能を利用でき、開発コストと時間削減につながる。
3. 「英語」×「一次情報の取得能力」
AIの最先端技術、論文、ライブラリのドキュメントは、常に英文が最初となる。日本語に翻訳されて回ってくる頃には、半年〜1年のタイムラグが生じていることも珍しくない。
• DeepLやChatGPTを「翻訳」に使うのではなく、「英語で学ぶための補助」として使う: 英語の技術記事を読み、AIと英語でディスカッションする習慣をつけることが、情報の格差を生む。
4. 「問いを立てる力」と「倫理的判断」
計算やコード生成をAIが肩代わりする以上、人間に残されるのは「何を目指すべきか(課題設定)」と「その結果は社会的に正しいか(倫理)」。
• リベラルアーツ(教養): 哲学、歴史、社会学などの本をあえて読むこと。技術が万能になった時、「何が人間にとって幸せか」を判断する哲学を持っているエンジニアは非常に強い。
具体的なアクションプラン(新入生向け)
・ 1年生(夏まで): Pythonの基礎を固め、GitHubアカウントを作成する。
・ 1年生(冬まで): 自分の専門分野(物理、化学、情報など)の課題をAIを使って解く方法を模索する。
・ 2年生〜 :Kaggle(データ分析コンペ)に挑戦したり、個人の開発物を公開する。
勿論、大学としてもAI時代への対応は考えているだろうが、何しろ半年で事情が全く変わるくらいの凄まじい勢いで進化している現在、とてもではないがカリキュラムに反映する事は不可能だ。
とは言え、文系に比べて圧倒的に勉強の量が多い理科系では、カリキュラムをこなすだけでも大変だが、それに加えてAIに備えるというのはそう簡単ではない。
ここは頑張るしか無い。