ニコンが3Ðプリンタで850億円の赤字


報道によると、『ニコン5日、2026年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を下方修正した。純利益予想は従来200億円の黒字としていたが、850億円の赤字に引き下げた。映像事業やヘルスケア事業での販売見通しの下振れに加え、デジタルマニュファクチャリング事業での減損損失が響く。配当予想も、従来の年間50円から40円に引き下げた。』

3Ðプリンタというと、アマチュアがフィギアなどを作る小型のものを想像するが、金属3Dプリンターはチタン、アルミ、ステンレスなどの金属粉末を積層・焼結し一体成形する技術で、切削加工では不可能な中空やメッシュ構造など複雑な形状、軽量化、一体成型を可能にし、航空宇宙や医療、試作分野で採用されているものだ。

写真を見ると、大がかりな事に驚く。

ニコンは造形の様子を動画で公開している。

ニコンは23年に800億円強を投じて独金属3Dプリンター大手のSLMソリューションズ・グループを買収した。この時の買収価格と買収先企業の純資産との差額であるのれんや無形資産にかかる減損を計上した事が赤字の原因で、減損額はニコン単体やその他グループ会社の有形・無形資産も含めて約906億円になる。

ニコンはデジタルカメラや半導体露光装置に次ぐ収益の柱と期待し、金属3Dプリンターの大型買収に踏み切ったが、従来のアナログな製造方式からデジタルへの移行が進まず、しかも市場の成長率はニコン側の想定に達しなかった。また、中国企業との競争激化もあり同事業の業績が悪化していた。

今の世の中、凄まじい勢いで変化する世の中に対応するために、各社とも新規事業に力を入れていて、ニコンも3Ðプリンタという分野に進出したのだろうが、これを軌道に載せるのは大変だろう。