60年前に発売されていた出力管20本を並べた松下の真空管式OTLアンプ


今から60年程前に、松下電器の高級オーディオブランド、「テクニクス」が発売したパワーアンプが、飛んでもない代物だった。

真空管アンプと言えば大きな出力トランスが特徴だが、トランジスタのように出力トランスの無いOTL(Output Transformer Less)式真空管アンプが「 テクニクス 20A 」だった。

真空管はインピーダンスが高いために、8~16Ωのスピーカーを駆動することが出来ないから出力トランスを使用する。抵抗というのは並列に接続すると抵抗値が半分となるから、それなら真空管を何個も並列に並べればインピーダンスが下がって、出力トランスがいらなくなるんじゃねぇの、という発想で作られたのが20Aだった。

本体には真空管のガードがついていて、その隙間から何やら真空管らしきものが林立しているのが見える。

そして正面のガードを外すと、何と20本のパワー管と8本の小型管が並ぶ姿は圧巻だ。各チャンネルに10本のパワー管を並べたステレオ仕様で、60W ×2(8Ω)という出力を誇るが、重量は23.5㎏もある。

リアパネルの入力は左右にそれぞれ2つのRCA端子があるが、1つはローカットとなっている。

価格は当時で135,000円と高価だったが、当時真空管アンプの最高峰と言われたマッキントッシュMC275は1961年発売当時米国で444ドル、当時のドル/円レートは360円だっただった事になる。MC275の出力は75×2Wで、20Aはそれに近い事になる。

MC275は復刻版も発売されているが、その価格は80万円とかいう恐ろしい価格だが、まあ、国産の高級ピュアオーディオメーカーのパワーアンプには百万円超も結構あるから、この手のユーザーからすれば驚くほどの価格では無いのかもしれない。