トランプ米大統領は8日、AIチップ NVIDIA H200の対中輸出を容認する方針を示した。これはホワイトハウスの人工知能(AI)政策を統括するデービッド・サックス氏が主導した取り組みの一環で、華為技術(Huawei)など中国のハイテク企業と競争するため、米国企業に中国市場への参入機会を与える狙いがあった。
ところがサックス氏は、12日のブルームバーグの番組でこの戦略が機能するかは不透明だとの見方を示し、中国が「われわれのチップを拒否している」と述べ、「彼らはどうやら欲しくないようだ。」とも述べている。
NVIDIA H200H200は、実はNVIDIAとしては一世代前の製品となる。

現行モデルはBlackwellで今年4月から供給されている。

更に次世代モデルとして「Rubin」が既に発表されてる。

しかし、旧モデルとはいえ、中国の技術では全く歯が立たない状況で、本当はH200でも喉から手が出る程欲しいはずだ。
にも拘わらずこれを拒否するのはHuawei・寒武紀などの国産AIチップを保護したいためで、H200が流入すると:
・研究機関・大手クラウドが 国産品を買わなくなる
・国産メーカーが 量産・改良の機会を失う
・国家主導の「半導体自立」戦略が崩れる
すなわち、性能で負けると分かっていても、市場を守る必要があるためだ。
加えて、米国に依存すると、何時また全面的な輸出規制がかかるかもしれず、中国にとっては安全保障上、絶対に受け入れられないという。
更には、「H200」という名前でも、実態は“牙を抜かれたH200”である可能性が多い。すなわち
・インターコネクト帯域制限
・クラスタ規模制限
・NVLink制限
・ソフトウェア・ファームウェア制約
な~るほど。これって米国の得意技だ。
戦闘機を例にすれば日本と韓国のF35は名前や外観は同じだが中身はまるで違い、日本向けはほぼ米国と同じフルスペックであるのに対して、韓国の場合は低スペックの別物だという現実だ。
トランプがAIチップ販売を認める事は、中国に対して多少融和路線に舵を切ったと日本の左翼は喜んでいるが、いやいや、そんなに甘くは無かった。