ドイツ・メルツ首相が徴兵制復活に動く


ドイツ連邦議会(下院)は5日、独連邦軍の兵士を増やすため、新しい兵役制度を導入する法案を賛成多数で可決した。18歳になる男性全員に適性検査を義務づけ、志願者から対象者を選ぶ。十分に集まらない場合は2011年に停止した徴兵制の再開を検討する、と報道されている。

この兵役制度改革計画に抗議し、ドイツ各地の都市で数千人規模のデモが行われているとも伝えられている。

新しい兵役制度は、18歳になる男女を対象に兵役への希望の有無などを尋ねるオンラインのアンケートを行い、回答は男性が義務で、女性は任意。志願者は適性検査を経て兵役に就く。適性検査は27年7月から行う予定で、志願者が十分に集まらない場合は抽選などによる徴兵を検討する。

ただし、徴兵制の再開には改めて議会の承認が必要になるというから、一般的に考える徴兵制度が即復活したわけではないようだ。

近代戦では火器使用だけでなく、通信、電子戦、情報収集、メンテナンス、ロジスティクス、ドローン/自律兵器/サイバー/指揮統制など 高い専門性・継続的訓練が必要な分野が圧倒的に増えている。 短期間の徴兵や志願兵制度では、こうした高度スキルを「十分かつ継続的に」習得し維持するのは難しい ‥‥というのが多くの軍事学的検証の共通認識で、徴兵で素人を集めても現代戦で本当に有効な戦力になりうるか、という議論となっている。