ブランド大学の学部卒と中堅大学の修士修了ではどちらが高学歴なのか

今から60年前は、男子の4年制大学進学率が20.7%だったが、50年前には41.0%まで上昇した。とはいえ、大学卒は高学歴といわれていた時代だ。なお、当時は女子の多くは短大であり、4年制大学への進学は極少数だった。

ところが今、大学進学率は60%というから、高校生の半分以上が大学に進学する時代となり、これでは大学が高学歴とは言えないのは当然だ。

では、現代の高学歴とは何だろうか?

一つの説は大学院修士課程修了以上だ。おっと、最近は修士課程ではなく前期博士課程と呼ぶらしいが、世間では「修士」の方が通りが良い。要するに学歴=学位の高さであり、学部<修士<博士という考えだ。

実際、製薬・メーカーR&D・IT先端分野などは「修士以上が当たり前」であり、博士は研究テーマに直結する場合は強力な武器となる。すなわち、材料系・化学・機械電気では修士が標準。博士は研究志向なら歓迎となる。

ところがもう一つ、高学歴=大学ブランド(高偏差値学部)という考え方があり、商社、金融、コンサル、大手メーカーの事務系では 「どこの学部卒か」が圧倒的に重視される。 この為、学部卒でも東大・慶應・早稲田なら評価は高い。逆に無名大学院の修士や博士は「高学歴扱いされにくい」。

この偏差値至上主義は別名「学歴厨」ともいわれ、MARCH以上でないと人ではない、みたいな事になってしまう。これは文系の話という事だが、世の中の大学生の多くは文系であり、偏差値で一喜一憂するのは「私文」と呼ばれる私立文系の話だ。そして、就職後の職種は「営業マン」で、都市銀行は中小企業を回って預金や融資の話を纏めるのが仕事であり、メーカーでも営業職が中心で、大手なら日本全国の支店勤務を点々とする事になる。

しかし、ITが極度に発達した今日この頃では、この営業マンという仕事もオワコン化しているのも事実。そこで注目されているのが、慶應大学SFCで大成功した文理融合型というタイプで、これは流行の職種であるコンサル企業にピッタリだ。

その コンサルもピンからキリまであるが、何れにしても上位の文系大学生の好む就職先が五大商社やメガバンクから大手コンサル系に変化しつつあり、これに対して文理融合学部というのはピッタリとマッチしているのだった。

とは言えこのデーターサイエンス系学部 新設ブームは留まることろを知らず、これこそ難関大から全入大まで、雨後の竹の子状態になっている。

しかし流行のデーターサイエンスでも、幾ら人材難とはいえ卒業すればコンサル系に就職できる筈も無い。そこでこれらの動向をまとめると、いわゆるMARCH未満と言われるデーターサイエンス系の就職は
• SIerやソフトウェア開発会社(中堅・準大手)
• 社内SE・情報システム部門(中堅メーカーや金融系)
• マーケティングリサーチ会社(調査・集計・レポーティング中心)
• BPOやアウトソーシング系のデータ処理・運用
• 自治体・公共団体の統計・情報部門
• データ活用型の一般職(ECサイトの運営、営業企画など)

とは言え、いわゆるFラン大学では、定番の経済学部などの場合は流通・小売・不動産・金融営業というのが定番だが、データーサイエンス系ならばIT・情報通信関連が3〜5割を占めるケースもあるという。

論、多くは中堅〜中小のシステム開発・アウトソーシング系が中心だが、それでも結構コスパは良さそうだ。