医療機関のホームページには、所属する医師の紹介として多くの場合、卒業した大学が明記されている。確かに患者からすれば、自分の命が掛かっているのだから、極力国公立大学卒業者を選びたくなるというものだ。
さて、医師の卒業大学の公開は病院側にどんなメリットがあるのかを纏めてみると‥‥。
病院側のメリット
1. 信頼性・安心感の提示
• 国公立や難関私大(慶應・慈恵など)卒業と明記することで、患者に「学歴的裏付けのある医師」という印象を与え、病院全体の信頼性を高める。
• 特に地域の中小病院では「うちの医師は◯◯大学医学部出身」という情報が患者誘致に直結する。
2. 医師ネットワークのアピール
• 医学部の人脈は卒業大学ごとに強い結びつきがあり、特定大学出身者が多い病院は、その大学医局とのつながりが強い=専門医の派遣や最新医療へのアクセスがある、というアピールになる。
3. 差別化要素の提供
• 専門医資格や研究業績と並んで「出身大学」は比較的わかりやすい経歴情報で、患者側が他院と比較するときの判断材料として役立つ。
患者側の心理的効果
• 「東大・京大・医科歯科・阪大」など有名大学の名前は、医師の専門分野を理解できない一般患者にとって安心材料になる。
• 特に地方では「国立大学医学部=優秀」という固定観念が強く、紹介状なしの外来受診に誘導する効果もある。
裏側の事情
• 医師本人からすれば「出身大学を誇示するのは嫌」というケースもあるが、病院の広報戦略として統一的に記載されることが多い。
• 医局派遣で来ている医師の場合、大学名を出すことで「この先生は一流大学医局のバックアップ付き」と暗に示す意味もある。
ひとことで言えば、「卒業大学の公開=病院のブランド強化・患者の安心確保・医局との結びつきの示唆」という事だ。
しかし、医者は大変だねぇ。卒業大学が一生ついて回るのだから‥‥。