生物兵器の製造に転用可能な噴霧乾燥機を経済産業省の許可を得ずに輸出したとして、2020年3月11日に警視庁公安部外事第一課が神奈川県横浜市都筑区の大川原化工機株式会社の代表取締役ら3人を逮捕したが、杜撰な捜査と証拠による冤罪が明らかになった大川原化工機事件。
この事件の捜査を巡り警視庁は7日に公表した約40ページの検証報告書で、同事件の捜査では、現場指揮官である係長や管理官から、全体を監督・指導するはずの上層部に上げられておらず、当時の捜査が指揮系統の機能不全に陥っていたと断じた。
被害者である大川原社長を含めた同社幹部3人は捏造事件で11カ月拘留され、一人は勾留中に悪性の腫瘍があると判明されたが、治療が手遅れとなり死亡するという悲惨な結果となった。
この事件に対する大河原社長らの起こした損害賠償裁判では、公安部警察官が、捜査員の欲で起った捏造事件だと証言している。
当時この事件を指揮した警部の宮園勇人は、その後警視に昇進している。この悪徳警官達は逃げ切ったかと思ったら、前述検証報告と共に、警察当局は退職者を含む警視庁公安部の歴代の幹部らあわせて19人を処分、または処分相当とした。
その処分とは、当時の公安部長を務めていた近藤知尚氏は「警察庁長官訓戒」相当、参事官を務めていた中島寛氏は「警察庁長官官房長注意」
逮捕当時の課長だった名倉圭一氏は「警視総監訓戒」相当、ほかの3人は「警視総監注意」相当、「警務部長注意」相当などとなっている。現場の捜査の中心を担っていた外事1課の管理官と係長の2人については、減給1か月の懲戒処分相当としたが既に退職しているため減給にあたる額を自主返納したいと話しているとか。
この事件で、東京高等裁判所はことし5月、警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認めて都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じ、この判決が確定している。
おいおい、1億6600万円の賠償金って、我々の血税じゃないか。にも関わらず下っ端のチンピラ警官が減給1か月っていうのは、誰も納得できないし、更に最も悪質な中間幹部は訓戒や注意なんて、我々からすればどうでも良いような処分に感じる程度のものだ。
尤も、出世に目がくらんでいる小役人からすれば、このような処分を受けたという事は今後の出世の道が絶たれたという事で、重大な処分なのかもしれないし、加えて恐らく自主退職となる可能性は大きいと思われる。
でも自主退職じゃあ退職金がもらえてしまう。ここは懲戒免職でしょう。
なお、大川原化工機は、逮捕時のSに対する弁解録取書を故意に破棄したなどとして、取り調べを担当した安積伸介警部補(当時)と捜査を指揮した宮園勇人警部(当時)を公用文書毀棄と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで警視庁刑事部捜査第二課に刑事告発していた。
では、この二人の現在はというと、生成AIによると
宮園勇人(当時警部):警視に昇格、その後退職。刑事処分は不起訴相当(検察審査会も同判断)
安積伸介(当時警部補):警部に昇進。刑事処分は不起訴だが、検察審査会により「不起訴不当」議決が出る。虚偽有印公文書については再捜査継続中
という事で、宮園勇人は完全に逃げ切ったようだ。
江戸時代だったら死罪なのにねぇ。
えっ、切腹じゃあないの?って‥‥
実は町奉行所の同心はすなわち足軽だから、正規の武士とは認められず、切腹という名誉のある責任を取る事は許されず、町人の犯罪者と同様に死罪か、上手くいって遠島となるのだった。