最近は高級オーディオ機器が再人気という事もあり、YouTubeでも聞き比べというコンテンツの動画が結構上がっている。
しかし考えてみれば、オーディオ機器の比較試聴なんてメーカーや販売店の専用の視聴ルームでも大きな違いが判り難いのに、これをYouTubeで視聴してその違いが判るのかという大きな疑問を感じる。
一般的にYouTubeの再生環境なんて多くの場合
・スマホの内蔵スピーカー
・ノートPCの安価なスピーカー
・1万円以下のBluetoothスピーカー
・一般的なイヤホン(AirPodsなど)
で視聴しており、これらで高級オーディオの繊細な違いを再現するなんて事はどう考えても無理だ。
次に収録については「空気録音」という方法を採っているというが、これは
・スピーカーから音楽を再生し、それを部屋の中で実際に鳴っている状態をマイクで録音。
・音源 → アンプ → スピーカー → 空気 → マイク → 録音ファイル
という
「空気を振動させて耳に届く」プロセスを模倣するものだ。
とはいえ
・最高級のコンデンサーマイクを使ったとしても、空間の響きや細かなニュアンスは完璧には収録できない。
・デジタル圧縮と更にYouTube側の圧縮(128kbps程度)、加えて動画がアップロードされると、YouTubeは自動的に音声データをさらに圧縮するため、微細な音の差は消失してしまう。
という事を考えれば、YouTubeでの高級オーディオ機器の音質比較なんて、何の意味もないのだが、まあ、そこがこの手の高級オーディオ独特の世界であり
・見た目の違い(巨大なスピーカー、真空管アンプなど)や説明の影響で、プラセボ(思い込み)効果が発生しやすい。
・視覚・言語情報が脳に先入観を与えるため、「実際は同じ音でも違うと感じる」
などにより、コメント欄にはその違いに納得したり称賛する意見が並ぶ事になる。
ところで、このような「オーディオ真理教」と揶揄されている「信者」の特徴とは‥‥生成AIによると
・年齢層:60〜70代男性が圧倒的に多い(“最後のオーディオ黄金世代”とも)
・性別:ほぼ男性(趣味性・金銭的余裕・文化的背景による)
・傾向:ブランド崇拝、スペック軽視、アナログ崇拝、オカルト的傾向も
という事で、まあ、納得できるところだ。
しかしねぇ、60過ぎの爺さんなんて、15kHzどころか、10kHzだって認識出来ないはずであり、そんな衰えた耳で聞くために何百万円ものオーディ機器を買いあさっている事になるのだが、まあ、若いうちに頑張って勝ち組となったご褒美ととして、勝手にやっている分には、他人に迷惑は掛からないので、特に言う事は無いが、頼むから他人を巻き揉まないでほしいものだ。