大学の「理工系女子枠」学内外から「逆差別」の指摘も

理系の女性研究者を増やそうと定員の一定数を女性に割り当てる「女子枠」の導入が大学の理工学部を中心に広がっていて、理系の学部に女子枠を設ける大学は2024年度40大学に上った(公益財団法人「山田進太郎D&I財団」)。

国公立大学の場合、2026年度入試で女子枠を新規導入を発表しているのは、京都大学理学部と工学部、大阪大学基礎工学部、岩手大学理工学部、山形大学工学部、埼玉大学工学部、愛媛大学工学部、広島大学理学部・工学部・情報科学部(2025年5月12日時点)の7大学。

この現実に対して、「逆差別だ」「大学のレベルが下がる」などの否定的な意見も出ている。

そんな美味しい話があるなら、それこそ人気抜群かと思ったら、大学によっては志願者がほとんどいない、何て場合もあるようだ。

最も人気があるのは東京科学大(旧東京工大)で、物質理工学院の女子枠には、募集定員の約6倍にあたる128人が殺到したという。まあ、天下の東工大に優遇策で入れるなら、これはラッキーという事だろう。

また理工系と言っても、以前から多少とは言え女子の受験者がいた情報系とか電子系は、この優遇策での志願者を期待できるだろうが、機械工学や土木工学などのガチなガテン系学科はどうなのだろうか。

考えてみれば男子受験生にだって、この手のガテン系学科は毛嫌いされているのだから、ましてや女子ならなおさらだろう。また入学したとしても、溶接や鍛造、機械加工実習とか、真冬に水びちょで水力学実験、真夏にボイラー焚いて発電実験に耐えられるか、という気もする。

この理工系に女子の志願者が少ない現状から、女性は男性に比べて理数系を理解する能力が劣るのではないか、といわれているが、生成AIに聞いてみた結論は
「女子は理数が苦手」というのは固定観念(ステレオタイプ)にすぎず、実際には本質的な能力差はほとんどない
問題は、育てられ方・教育環境・社会的な期待によって、本来の能力を伸ばしにくい仕組みがあることです。
という事だった。

ところで、女子枠優遇に対して、その逆の事例としては、以前友人の息子が近所の女子大が共学化された最初の年に受験したらば、男子は特例として学費がほぼ免除なんていう規定があったそうだ。