製造業なら皆知っている コスパ抜群の工学部とは




最近Youtubeで話題になっている学歴廚コンテンツ、とりわけ賛否両論が多いのが「wakatte TV
というコンテンツで、とにかく偏差値命であり、MARCHでもバカにされ、日東駒専なんて問題外、大東亜帝国に至っては人間扱いされないといっても過言ではないくらいだ。

まあ、エンタメと割り切って見るぶんには暇つぶしとして楽しめるが、中には本気で怒る聴取者もいるだろうし、これを本気にして本人も学歴廚になってしまう事もあるだろう。それでも、受験生がこれに影響されて必至で努力する気になる原因になれば、それはそれで良いことだが‥‥。

そうは言っても、これら大学群と就職の関係はある程度決まっていて、上位偏差値の大学群程良い就職があるのもまた事実だ。これについては当ブログでも取り上げている。
文系大学生の就職先はほぼ偏差値で決まる?

しかしこれは、タイトルでも触れているがあくまで「文系」の場合で理系、とりわけガチな工学系では日東駒専や大東亜帝国でも、大企業に就職できる可能性は充分にある。というか、そもそもこれらの大学群で、マジな工学部を持つのは日大と東海大のみであり、工学系では大学群の考え自体が成り立たないのだった。

前置きはこの位にして、偏差値の割に就職が良い、すなわちコスパ抜群の大学として、偏差値が35にも関わらず大手に就職できる大学があるという事が、Youtubeのあるコンテンツで述べられていた。それは‥‥

日本大 生産工学部だ。

日本大には工学系として、他に理工学部と工学部がある。理工学部は本来芝浦工大に近い難易度だったが、今では結構下がっている。とはいえ、それこそ就職は抜群だし、昔から評価の高かった建築学科は今でも充分な戦闘力がある。

では生産工学部はというと、これまた理工とは言わないまでも、就職の強さは充分にある。にも関わらず偏差値35という、これはFラン寸前の数値だ。そこでパスナビで調べ見たらば

成程、下は35.0からとなっている。とは言え詳細を見ないと何とも言えない。
そこで、学科ごとの偏差値を展開してみると。

なぁ~んだ、35.0というのは応用分子化学 A個別大1期のみで、肝心の機械工や電気電子工は37.5だった。とは言え、やはりコスパは抜群に良い。実際に産業界に勤務していれば、大手企業には日大 理工とともに生産工の出身者も結構いるし、中には役員になった例も知っている。

要するに、日大生産工のコスパの良さは、産業界では常識なのだ。

しかし、これまた落とし穴はある。

例えば、ド文系の学生が機械や電気電子工学なんかに入ったら、それこそ地獄も良いところで、大っ嫌いな事を朝から晩まで勉強するのだから、とても卒業まで持たない事になる。

そして大学生といえば、時間割はスカスカで空き時間だらけ。余った時間でサークル活動やって男女交際に勤しむという、厳しい世の中に出る前の4年間の充電期間、何ていうイメージがある。ところが、どっこい、工学部、とりわけ電機・電子と機械系は、バラ色どころか地獄のような生活が待っている。詳細は
バラ色の4年間を過ごせるのは文系大学だけ 理系は地獄だった

しかも最近の大手では、研究開発業務に就くには大学の偏差値に関わらず大学院修了が求められ、たとえ早慶でも学部卒では研究開発部署には配属されないのが一般的だ。そして、工学部の大学院はこれまた飛んでもなくハードであり、要するに大事な青春を6年間も工学一筋の生活を送る事になる。

ただし、元々メカオタクや電子オタクで、高校時代から勉強はしないものの、これらの知識は抜群、みたいな場合は、好きな世界にどっぷり浸かって、卒業後も業務だか趣味だかわからないような生活が出来るという場合もある。

まあ、それだけの苦労をしたのだから、MARCHの文系で4年間チャラい生活を送ってきた奴らよりも求人が良いのは当然だし、将来の転職でも圧倒的な強みを見せている。

という訳で、コスパ最高といっても、それに辿り着くには大変な苦労があるのだった。

やっぱり、世の中甘くはない!