河合塾が経営するが 大学受験がゴールではないドルトン東京学園 




ドルトン東京学園は大学受験でおなじみの河合塾が経営する中高一貫校で、開校は2019年。という事は、今年初めての大学受験が行われるために、その結果には大いに興味が持たれていた。

同校は河合塾が経営という事を考えると、大学受験命の有名大学合格を最大の目的とする中高一貫校かと思いきや、詰め込み教育に対する問題意識から提唱された学習者中心の教育メソッドであり、「自由」、「協働」の2つの原理に基づく「ハウス」、「アサインメント」、「ラボラトリー」を軸とし、一人ひとりの知的な興味や旺盛な探究心を育て、個人の能力を最大限に引き出すことを目的とする、ドルトンプランをもっとうとしているという。

そして、今現在の大学合格状況の一覧が発表されている。
2025年度入試合格校一覧

これを見ると、第一期生としては京大合格者をだしているし、早慶、MARCHなどお馴染みの人気校にも合格している。

しかし、それに加えて、実に多岐にわたる大学に合格者をだしているのは、偏差値に拘らない教育の結果だろうか? ただし、理工系が少ないような気がする。

そうは言っても、大学群でいえば「大東亜帝国」および同等クラスまでで、流石にそれ未満、例えば「関東上流江戸桜」は桜美林大学以外は入っていない。いや、それ以上にどの大学も偏差値云々以外に企業からも評価の高い大学が殆どであり、流石に各大学の内情が判っていると関心するところだ。

その反対に世間ではMARCHの中でも一際人気の青山学院大が理工学部に1名のみという結果で、要するにチャラいだけで内容が無い大学はシッカリ見抜いているのだった。

ここで、一期生が入学した時の中学の偏差値を調べると43だった。中学受験の偏差値は母集団のレベルが高いので高校受験と違い、かなり低く出る傾向がある。高校の偏差値に換算するにはプラス15~20と言われているから、第一期生の高校換算偏差値は58~63となり、三番手クラスの進学校、という事になる。

しかし、その後同校の偏差値は毎年上昇し続け、最新のデータでは 男子 57~69 女子 57~69という、超難関校とも言えるレベルに達している。しかもこの学校は学費がメッチャ高く、初年度154万円で6年間で850万円という、殆ど私立理系大学なみだ。これだけの学費を払える家庭環境でしかも高偏差値となると、6年後に大学受験をしたときには、恐らく東大一工目白押し、早慶あたりまえ、となるだろうが、今でも海外留学がいるところを見ると、日本の高偏差値なんて無視して、海外の一流大学に留学という例も増えるかもしれない。

何れにしても、今後が楽しみだし、これが成功するとこの方針に追従する他校も出てくるかもしれない。