政治に特化した米国のニュースメディア、POLOTICOは2025年3月29日 次のような報道を伝えた。
Zelenskyy says no to any US minerals deal that might risk Ukraine’s EU bid
ゼレンスキー大統領、ウクライナのEU加盟を危険にさらす可能性のある米国の鉱物資源取引に反対
‘Nothing that could endanger … Ukraine’s accession to the EU can be accepted,” Ukrainian leader says.
「ウクライナのEU加盟を危険にさらすようなものは何も受け入れられない」とウクライナの指導者は述べた。
米国は既にウクライナに対して停戦後に地下資源、とりわけレアアースの開発権利を手に入れる事を提案していて、これによりウクライナ内の米国施設を守るために必然的に米軍が安全保障を行うというメリットを示唆していた。
その後米国は共同投資基金を通じてウクライナの石油、ガス、鉱物資源にアクセスでき、これらのプロジェクトの収益は両国で分け合うという提案ををした。これに対してゼレンスキー大統領はその草案には「これまで議論されていなかった多くの新たな条項」や「双方がすでに拒否していたいくつかの側面」が含まれていて、ウクライナの欧州連合加盟を危うくする米国との鉱物協定は受け入れないと述べた。
これをもって、米とウクライナの交渉が決裂した、という事はないだろう。トランプ氏は天才的な商売人だから、今後の交渉でもあの手この手で攻めてくるだろう。
加えて、プーチン大統領がこれまた稀代の曲者だから、そう簡単には纏まらないだろうが、いずれにしても今後、歴史に残る交渉が続くだろう。