大学付属高校からの内部進学は得か




今から58年前、都立高校は学校群制度という最悪な制度を採用した事から、受験生たちはそれまで「都立が一番」という感覚から、私立高校に目が行くようになってしまった。

中でも大学の付属高は推薦による内部進学という大きなメリットもある事を受験生や親も気付き始めてしまった。

大学の付属高は、上は早慶から下は大東亜帝国クラス未満までと幅が広い。それでは、付属高校と大学の難易度の関係はどうなっているのだろうか? そこでそれぞれの偏差値([ ]内)を比較してみると

早稲田大学 高等学院 [75]大学[62.5~70.5]
慶応義塾大学 付属高校 [76]大学[65.0~70.0]
明治大学 明治高校 [72]大学[55.0~65.0]
青山学院大学 高等部[71]大学[55.0~65.0]
中央大学 高等学校[71]大学[50.0~62.5]
芝浦工業大学 付属高校[62]大学[50.0~60.0]
東京電機大学 高校[62]大学[45.0~55.0]
工学院大学 付属高校[56]大学[50.0~57.5]
日本大学 櫻丘高校[63]大学[35.0~52.5]
駒澤大学 高校[61]大学[45.0~57.5]
専修大学 付属高校[61]大学[45.0~55.0]
大東文化大学 第一高校[60]大学[37.5~47.5]
東海大学 付属高輪台高校[57]大学[35.0~52.5]
帝京大学 高校[56]大学[35.0~50.0]
国士館大学 高校[55]大学[35.0~50.0]

高校の偏差値を大学偏差値に換算するには一般にマイナス10ポイントといわれいる。例えば早稲田高等学院〔75]は普通に伸びれていれば大学は65クラスに合格する事になり、な~んだ、内部進学が特別に有利とも言えないじゃないか。これは慶応も同様だった。

では、MARCHはどうかと言えば、これまた高校が71~72だから61~62であり、これもピッタリ合っている。

次に4工大はというと、電機大と芝浦工大が付属高校だと偏差値が同じというのは電機大高校のコスパが悪いようにも感じてしまうが、芝浦工大付属は大学の難関度に比べて高校が低めでコスパが非常に良いことは以前から知られていた。

日大については、付属高校の数が多い事から、例題としての櫻丘高校のみで判断するのは危険だが、それ以上に大学の偏差値が駒沢・専修に比べて低めだった。ただし、医学と獣医学は除いてあるが、それを考慮しても低めになっている。もしかして不祥事による影響で人気が下降しているのだろうか。

更に、専修、駒沢、大東亜帝国など、全てが大学偏差値プラス10圏内に収まっているという事が、今や大学進学には付属高校からがコスパ抜群ではない、という事だろうか。

実は今回、当初の予想では公立高に比べて付属高は圧倒的に有利であろうと思っていた。付属高校の偏差値に対して内部進学する大学の偏差値が高く、大いに有利になっていると想像していたが、どうやら、そうでも無いようだ。

この辺は、昔とは違っているようで、穴場はみんなが知ってしまうと穴場では無くなってしまうという事なのだろうか。