米国のルビオ国務長官は16日、南米・ベネズエラのギャングのメンバー数百人を追放し、「エルサルバドル」が受け入れるとSNSで明らかにした。
米国から移送されたのはエルサルバドルの「テロリスト監視センター」という施設で収容能力は4万人。ここには大量殺人犯や「最悪中の最悪」と評されるギャング構成員など、ベネズエラで最も凶悪な部類に入る犯罪者が収容されていて、収容環境は極めて過酷と言われている。
米国がこの施設に送り込んだのは261人で、238人はベネズエラのギャングである「トレン・デ・アラグア」という組織の構成員で、残る23人は別のギャング組織のメンバーだという。
それにしても、米国にはそんな凶悪な連中が入国していたという事には驚くしかない。
収容された施設では、受刑者は監房に1日23時間半閉じ込められていて、監房の中の家具は金属製の多段ベッドだけで、シーツも枕もマットレスもない。他にはむき出しの便器とセメント製の洗面器、洗濯に使うプラスチック製のバケツ、水を飲むための大きな容器があるだけという環境だ。
しかし、何故にベネズエラの凶悪犯罪者をエルサルバドルの刑務所が収容を同意したのかに疑問が残るが、その理由は見返りとして米国から600万ドル(約8億9800万円)の支払いを受けるという取引を結んだからだった。
米国としては、凶悪犯罪者に対して米国内で捕まればエルサルバドルの最悪刑務所に送られるという恐怖を与え、犯罪者が米国への入国を躊躇したり、既に入国している場合も自発的に退去するあであろうから、これは大きなメリットとなる。
ところで、この刑務所の維持には年間2億ドルが必要という事で、犯罪者が国に与える損害の大きさを物語っている。