日産自動車は5日、取締役会を開き、ホンダとの経営統合に向けて協議する方針を撤回した。
日産役員の反発が強まったのは、ホンダが日産に対して子会社化を提案したことが原因と言われている。
まあ、この結果は元々見えていた。
というのは、この提携話は日産の救済の為に経産省がホンダに対して「主導」することで進んだものだあり、ホンダにとっては何のメリットも無いどころか、足を引っ張られる事が明白だから、日産側から協議を白紙にしたことは、もっけの幸いという事だろう。
日産はその昔、東銀座通産省と揶揄されたくらいに、民間企業とは思えない程の官僚体質は有名だったが、何と今でもその体質は抜けていないのだった。
例えば、日産の子会社であるK社が合成ゴムに代わる画期的な素材のEPDMを開発し、これを上手く使えばオイルシールとしてメンテナンスフリーが実施できるというものだった。ところが日産の技術者達は、失敗したら責任を問われるから知らん顔していて、全く応用開発が進まなかった。
この話を聞いたトヨタは、早速K社とコンタクト(実は部品メーカーを間に入れて隠したのだが)をとり本気で開発を行ったことで、見事に製品化したのだった。
この話はホンの一例であり、全てがこんな状況だから、今まで会社があったのが不思議なくらいだ。
そんな、日産との経営統合なんて、ホンダとしては希望している筈もなく、ましてや対等な統合なんて飛んでもない。日産が拒否したホンダの子会社化にしても、ホンダとしてはこんな組織を子会社にしてもお荷物となるだけだ。
とは言え、プライドだけは一丁前の日産は、これを受け入れる事は無い事くらい、ホンダは見通していた筈だ。本来、今の日産を子会社にしてくれる何ていうだけでも有難い事なのだが、その辺は現状が判っていない、プライドだけで中身は空っぽの日産役員のレベルを見抜いていたホンダは流石というべきだ。
さて今後、日産はどうなるのだろか?
ホンダとの統合が破断となった今、日産を狙っているのは台湾の鴻海(ホンハイ)と言われている。鴻海はEVに進出し世界シェア40%という目標を掲げている。しかし、現状の技術力ではその実現が難しいから、日産を傘下に収めて技術や優秀な人材を手に入れる、という事を考えるのは当然だ。
さて、日産の今後はどうなるのやら‥‥。