高校生の3分の2が受験の楽な文系に進んでいる





ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一は、高校2年生の段階で文系か理系かを選択させるのは世界で日本だけだ、その理由は文系は受験が楽な事だと指摘している。

確かに私立文系の受験科目は理系に比べて受験勉強の内容が薄くても何とかなる。対する理系は概ね数Ⅲまで必要とされ、この負担は文系の国語などに比べて明らかに大きい。

受験産業の飯の種であるMARCHへの合格指導、というのは勿論文系の場合であり、卒業後の進路は皆「営業職」に代表されるホワイトカラーだ。よく言われる「学歴フィルター」や私立なら早慶以外はみなFランなんていう暴言も、超一流の商社や証券会社、メガバンクなどに就職を希望するからであり、それが駄目でも大企業(旧東証一部、現プライムもしくはスタンダード)のホワイトカラーを希望する事が原因だ。

高校生の3分の2が文系志望という事は、理科系志望は3分の1という事になり、その理系と言っても最近は緩い理系、すなわちデーターサイエンス系も結構あるから、ガチな工業系は更に少ないだろう。

何度も述べているが、ガチな工学系、電気電子工学か機械工学で、大学院修士課程を修了すれば、東京4工大は勿論、日大生産工、千葉工大、神奈川大工、東海大工クラスでも大企業の研究開発職への就職の可能性は充分にある。

しかし、バラ色の大学生活は望むべくもなく勉強一筋の6年間と、私立なら毎年150万円×6年=900万円の学費を投資する事になる。それでも、就職してからの生涯給与を考えれば、たぶん元は取れると思うが。

これらの事実を知ってか知らぬかは判らないが、高校生の理系嫌いは最初の受験勉強が最大の原因というのは納得出来る。

それで最近は、文系科目でも受験が出来るゆるキャラ理系学部を新設する文系大学がふえているのだろう。