船井電機 突然の破産





船井電機といえば、バブルの頃にユニークな新規参入のAV機器メーカーとして一躍話題となったが、その後は大きな話題も無かった。それでも最近、山田電機で低価格の液晶テレビが売られているのを見た事がある。

その船井電機対して東京地裁が24日、破産手続開始を決定したことで、同社は従業員に対して
「破産です。給料は払えません。即時解雇です」
という通知を出した。給料日は25日というから、銃教員はその前日に突然不払いを知った事になる。

船井電機は、液晶テレビの分野では北米市場でトップシェアを獲得した事もあったようだが、北米の低価格帯テレビ市場への依存から脱却できず、2010年代以降は中国・台湾メーカーとの市場競争で経営が悪化していた。

それでも、国内ではヤマダ電機と組んで「FUNAI」ブランドの液晶テレビを展開するなどの対策をとったが、販売は伸び悩んでいだ。実際に自らテレビの買い替えをするために山田電機を訪れた時、確かにFUNAIブランドは安かったが、多少の差ならとPanasonicを選んだのを思い出した。

結局船井電機は2021年、出版事業などを手がける秀和システムホールディングス傘下に入る。秀和システムホールディングスは脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を買収し、電車内や駅構内など、至る所で広告を出し知名度を上げたが、顧客とのトラブルや強引な勧誘などの負の側面があり、経営不振に陥ってしまった。

そして遂には広告費の未払い問題に発展し、広告代理店が連帯保証人であった船井電機に対して約22億円の債務履行を求める訴訟を起こしたことで、ますます経営が窮地に陥ってしまった。

船井電機が破産したと聞いた時は、当然その原因は低価格テレビの不振が原因だろうと思ったが、まあ、それもあるが、直接の原因は親会社の事業失敗だった事になる。

なお、負債額は今年3月末時点で461億円だった。