サムスン電子が京畿道平沢市にある工場のファウンドリ(半導体受託生産)生産ライン内の一部設備について、稼動を減らしていることが分かった、と韓国メディアが伝えている。
文面を見ただけでは、極一部のラインのみのようにも受け取れるが、そこは韓国メディアとしては極力影響のない表現にしているのだろう。そして、稼働を減らす原因はファウンドリ受注実績の不振や続く赤字のためという事だ。
停止しているのは平沢工場のP2とP3ラインで、これらは30兆ウォン(約3兆2500億円)を投入して建設された半導体生産基地であり、更にP4ラインも建設しているが、その日程は遅れていて、一部の工事業者はサムスン電子との契約を解除したとう。
サムスン電子のファウンドリ事業は昨年2兆ウォン、今年上半期では1.5兆ウォンの赤字という。その原因はビッグ・テックなどの大規模顧客を確保できていない事で、独走状態のTSMCは世界ファウンドリ専有率で62%もある。2位はサムスン電子だが、その専有率は僅か13%と大差をつけられている。
元々、韓国の半導体事業は米国のDSが日本を貶めるために協力に支援した事でそれなりに伸びたのだが、今やその必要が無くなり、となれば、自力ではマトモに勝負出来ないのは当然だ。
ところで、これ程までにTSMCが独占するのは、各国とも安全保障上で大きな問題だが、その対策として、日本を始めとして、欧州にも工場を建設する事で分散化を実施してはいる。
まあ、そうは言ってもいくら日本に工場があると言っても、あくまでTSMCが支配しているのだから、ここは日本のメーカーが頑張るしかないのだが‥‥。