韓国の若者がブルーカラーの技能職に目を向けるようになった、という。
京畿道水原市で配管溶接を教える専門学校では、以前は30代以上だったが、最近は半数以上の学生が20代となるなどの変化があるという。現場の技能職は長時間労働、低賃金という認識があったが、今では定年が無く事務職よりも稼げるという噂が広まった事で、若者に注目されはじめた、という事だ。
専門学校の校長によれば、配管溶接は3カ月の教育が終了した時点で、腕が良ければ月に50万円以上稼ぐ事が出来、しかも仕事と休息時間が明確に分かれている事も人気の理由のようだ。
韓国では技能労働者が不足していることもあり、特高圧ケーブルを扱う技能者は1日8時間の平均賃金が4万5千円、1カ月平均では90万円も稼げるという。また、建築現場の足場工や、溶接工、左官など何れも1日3万円近い稼ぎがあるというから、確かに事務職に比べて圧倒的に高収入だ。
韓国の若者は皆ホワイトカラーを希望して熾烈な受験戦争に突入していると思っていたが、そうでも無いようだ。
日本でも腕の良い技能工はホワイトカラーよりも稼げる点では同様だ。ただし、この手の職業は適正もあり、例えば相場を組み立てる通称「足場とび」は、体力と運動神経に恵まれている必要がある。加えて、体育会系の人間関係も軟弱なタイプには向かない。
結局、冷暖房の効いた職場でスーツを着て仕事をしたいとなると、ある程度の大学を卒業して中堅以上の企業に正社員として採用される必要があり、それからこぼれると、スマホショップなどのセールスになるしか無く、これまた永年務める仕事ではない。また、クルマのセールスも定番だが、販売実績が上がらずノルマを達成出来なくて辞めて行く事になるのだった。