爆発したポケベルの製造はイスラエルのフロント企業によるものだった

 

中東レバノンで数千人の死傷者を出したポケベルの同時爆発事件について、米国メディアは敵対するイスラエルが仕組んだ攻撃だったとし、イスラエルの諜報機関「モサド」が製造過程でヒズボラのポケベルに爆弾を仕込み、メッセージを一斉受信させて同時爆発を引き起こしたという見方が広がっている、という。

ヒズボラは台湾のGold Apolloにポケベル5000台を注文し、2024年に入ってレバノンに輸出されていたという。だがポケベルは、レバノンに入る前に製造段階で内部のバッテリーの隣に爆発物が配置され、遠隔操作で爆発させるためのスイッチも仕込まれていて、コードを仕込んだメッセージを受信すると、スイッチが作動して爆発する仕組みだったという。

この作戦、米ABCテレビによると、イスラエルは少なくとも15年前から計画していたもので、ポケベルの製造にも関与した、という事だ。ポケベルの製造元と報じられた台湾企業「ゴールドアポロ」は、18日、製造には関わっていないとする声明を発表し、製造はライセンス契約を結んだハンガリーの「BACコンサルティング」が行ったと説明している。

しかし、「BACコンサルティング」は製造拠点のない「貿易仲介業者」で、ハンガリーでは製造していないとハンガリー政府関係者が報じている。そして米国政府関係の情報では「BACコンサルティング」はイスラエルのダミー企業だという事で、世界一の情報機関といわれているイスラエルのモサドのやる事は、その長い視点やスケジュールの大きさで圧倒している。

また、トランシーバーについては、日本の無線機メーカー「アイコム」の文字が入っていたというが、アイコムは製造過程で爆発物が仕込まれた可能性を否定している、って、そりゃあそうだろう。実は日本の製造工程でイスラエルから支給された訳の判らない部品を組み込んだ‥‥なんて事になった大騒ぎでは済まされない。

実際には流通過程で分解して爆発装置を組み込んだか、アイコム製のコピー製品に組み込んだかだが、効率からして恐らく後者だろう。

この十年以上の長いスパンでの計画という事を考えると、イスラエルと戦闘状態であるハマスに対しても、何やら仕掛けてある可能性はある。ハマスの通信はどうやっているのだろうか?

逆に、ハマスからすれば、もしかして同じように爆弾を仕掛けてある装備を使っているかもしれない、という疑心暗鬼が起こるのではないか。

そういう意味では、今回の作戦は近来稀に見るユニークな戦法で、結果は大成功といえる。

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