日本の運転免許は1956年の改定時に普通免許と大型免許に分けられた。その改正で普通免許で運転出来るのは車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満となった。
当時、普通免許で運転出来る中型トラックとして有名だったのが、三菱の中型トラック「ジュピター」だった。ジュピターには積載量が何種類かあり、その最大モデルは車両総重量6,330kg、最大積載量3,500kgだった。
その後、経済の発展と技術の進歩により、総重量8トン未満の通称4トン車は拡大を繰り返し、殆ど大型と区別が付かないまでになってしまった。下の写真は中型トラックの代名詞でもある日野レンジャーVQウィングで、20年前にはこのクラスが普通免許で運転出来たのだった。
流石にこれでは事故が増えるのは当然で、遂に2007年に半世紀ぶりに免許制度が改正された。
この改正で、普通免許で運転できるのは総重量5t未満、最大積載量3t未満となり、更に2017年の改正ではそれぞれ3.5tおよび2t未満となった。
しかし、この普通免許で運転できるトラックは事実上存在しなかった事から、ドライバー不足が問題となっいる現在、普通免許所持者をトラックドライバーとして雇用出来ない問題があった。
ところが最近、ネット上で以下のようなバナーを目にする。
その名は、「ELFmio」。いすゞのエルフ(ELF)シリーズは、小型トラックのベストセラーで、この分野ではダントツ一位であり、流石のトヨタも全く歯が立たない状況だ。
そのエルフシリーズに現行の普通免許所持者で運転出来る小型トラックをラインナップしたのは、流石といえば流石!
運転席はトラック未経験者でも違和感が無いように、しかもAT限定免許でも運転可能となっている。
ELFmioのサイズは全長4,690 x 全幅1,695 x 全高1,960㎜ で、これは5ナンバーサイズ。多くの乗用車が3ナンバー化されている現在では、寧ろ幅が狭くて運転し易いだろう。
エンジンは1.9Lディーゼル、120ps/3,000-3,200rpm 320N・m/1,600-2,000rpmという、低回転型の実用タイプとなっている。
最大積載量は1.25~1.35トンで、車両総重量はドンピシャ3.5トン弱となっている。ボディ形状もバリエーションが豊富で、代表的なモデルの価格は約365万円(税抜き)で、チョイと高いような気はする。
とはいえ恐らく、これは売れるろう。